研究課題/領域番号 |
14021070
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
熊ノ郷 淳 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (10294125)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
2002年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
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キーワード | セマフォリン / CD100 / Sema4A / CD72 / 免疫操作 / 副刺激分子 |
研究概要 |
宿主免疫応答の成立には、CD80/CD86とCD28、CD40とCD40リガンドなどの副刺激分子を介した相互作用が必須であることが知られている。これら既知の副刺激分子に加え、我々はセマフォリン分子CD100/Sema4Dが抑制性受容体CD72の負のシグナルを解除するというユニークな機構でB細胞や抗原提示細胞を活性化し、免疫反応の調節に寄与していることを示してきた。本研究計画は、CD100/Sema4Dを始め免疫系で発現する種々のセマフォリン分子を標的とした感染免疫応答の人工的操作法の分子的基盤を確立する事を目的としている。本年度の本研究計画により1)T細胞上に発現するCD100からの樹状細胞への刺激がT細胞-樹状細胞の細胞間相互作用により誘導されるeffector T細胞への分化に必須である事、2)樹状細胞上に発現するSema4AがT細胞の活性化及び分化に関与している事、3)リコンビナントSema4Aの投与により生体内での抗原特異的T細胞の産生が増強される事、3)発現クローニング法によりSema4Aの受容体が活性化T細胞上に発現するTim-2分子である事、4)Tim-2分子がヒトA型肝炎ウイルス受容体として知られるHAVcrのマウスホモログであるTim-1と同じファミリーに属する分子である事が明らかとなった。セマフォリンファミリーは従来発生過程での神経の方向性を決定するガイダンス因子とされてきたが、CD100/Sema4D及びSema4Aを始め、免疫活性を有するいわゆる「免疫セマフォリン分子群」の存在が一連の成果により明らかになりつつある。今後免疫調節分子としてのセマフォリン分子群を分子基盤とした効果的なワクチンや感染症治療へのアプローチが期待される。
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