研究課題/領域番号 |
14021102
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大分医科大学 |
研究代表者 |
西園 晃 大分医科大学, 医学部, 教授 (70218155)
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研究分担者 |
山城 哲 大分医科大学, 医学部, 助教授 (00244335)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
2002年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
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キーワード | 遺伝子 / 感染症 / 細菌 / 微生物 / ヘリコバクター・ピロリ |
研究概要 |
今年度はH.pyloriの外膜蛋白Omp29の直系遺伝子群の構造の多様性と宿主免疫系からの回避機構との関係についての検討と、初感染時におけるH.pyloriに対する免疫応答がどのように成立機構について検討した。 1.新規外膜蛋白Omp29に関する検討 大腸菌組み換え蛋白として発現させたOmp29に対する血中抗体は、乳幼児血清を用いた検討では0歳児で既に4/23(17%)が抗体を保有し、1歳前後から早くも抗体の陽転現象が見られ、非感染成人では6/19(31%)が陽性であった。つまり本抗原は感染曝露を受けるにつれ陽性率が上昇するが、健常人にも抗体を誘導するような菌体抗原であり、病原性との関連は薄いことが予想された。 2.H.pylori感染成立初期応答におけるCTLA-4分子の役割 非経口的な菌体抗原の免疫後による実験的H.pylori感染成立初期の免疫応答の検討を行った。感染初期から18週までの観察で感染マウス胃ではリンパ球を主体とする炎症細胞浸潤を強く認めた。一方免疫後感染させた群では、H.pyloriの生着菌量は感染群と差はないものの炎症細胞浸潤はほとんど認められなかった感染マウス群はTh1サイトカインが優位の炎症だが、免疫群は事前の免疫により特異抗原とマイトゲンに対してのIL-2、IFN-γの産生抑制が著しく、T細胞の低反応状態が示唆された。またT細胞表面のCTLA-4の発現は、感染72時間後には、免疫群において有意な発現の増多を示していた。また抗CTLA-4抗体をin vivoで投与することで、血中IgGlの増加が早期に強力に誘導され、IL-4の増加がIFN-γに比べより優位に認められた。このことは感染初期のTh2バランスへのシフトがその後の炎症の沈静化を誘導し、補助分子CTLA-4活性化を介したT細胞応答の抑制が結果的にH.pylori胃炎を抑制したと予想された。
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