研究課題/領域番号 |
14021112
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
樗木 俊聡 秋田大学, 医学部, 教授 (50233200)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
2002年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | 粘膜免疫機構 / 上皮細胞 / TCR_γδ^+細胞 / IL-15 / ホメオスターシス / Th1 / Th2 / 常在菌 |
研究概要 |
粘膜免疫機構の誘導における特異性、特に腸管上皮細胞の役割を明らかにすることを目的とした。 1)野生型マウスとIL-15欠損マウス間で骨髄キメラマウスを作成し、腸管粘膜上皮内TCR_γδ^+細胞の分化に粘膜上皮自身の生産するIL-15が必須であることを明らかにした。また同キメラマウスの解析によりNKT細胞の分化には胸腺上皮細胞由来の、一方メモリーCD8^+T細胞の維持には抗原提示細胞由来のIL-15が、各々必須であることも明らかになった。 2)腸粘膜上皮細胞の抗原提示能を検討するため、Cyt5C.C7-TCRマウスから腸粘膜上皮細胞を分離し、PCC_<88-104>ペプチドの存在下でCyt5C.C7-TCRから分離したCD4^+T細胞と培養した。その結果、従来の抗原提示細胞と共に培養したCD4^+T細胞が2次刺激でIFN-_γを生産した(Th1)のとは対照的に、上皮細胞と培養したCD4^+T細胞は2次刺激によりIL-4優位(Th2)の生産パターンを示した。 腸管の粘膜上皮内TCR_γδ^+細胞は粘膜上皮の再生や脱落を促しており、腸内感染などの際には感染上皮を排除する重要な役割を担っている。本研究の成果は、TCR_γδ^+細胞と上皮細胞間の巧みな相互作用により粘膜免疫機構や上皮細胞のホメオスターシスが維持されていることを示している。また粘膜上皮細胞によって抗原提示を受けたT細胞がTh2細胞に分化するという事実は、粘膜上皮細胞が抗原提示細胞としての機能を生理的にも担っていることを示唆しているだけでなく、常在菌に容易に炎症反応を惹起しないという粘膜免疫機構の特殊性を理論づけるための重要な知見の1つと考えられる。
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