研究課題/領域番号 |
14021131
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 特殊法人理化学研究所 |
研究代表者 |
間 陽子 理化学研究所, 分子ウイルス学研究ユニット, 研究ユニットリーダー (50182994)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
2002年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | HIV-1 / Impα / 核移行 / nucleoporin / 最終分化マクロファージ / CAS結合ドメイン / α-helixドメイン / 相互作用 |
研究概要 |
HIV-1のpreintegration complex (PIC)の核移行の阻害技術の開発を最終目標に、HIV-1 Vpr蛋白の核移行機序の全容解明を目指して解析を行った。 HIV-1 Vprは2つのα-helixドメインの内、αH2とFGリピートを有するnucleoporinとの相互作用を介して核膜に結合後、αH1の働きにより核内へと移行すること、その際、αH1介したImpαの間接結合、及びFG repeatを有するnucleoporinを介した核膜結合が共に必須であることを明らかにした。このようなVprによる核移行は極めて特徴的であり、HIV-1 PICの核移行をVprを標的にして制御できることを示唆している。 複数存在するImp αのisoformの中で、Vprの核移行に必要なものをin vitro nuclear import assayを用いて同定した結果、Rch 1とNPI-1により核移行が促進された。その効果はRch 1の方が強かった。更に、Rch 1が最終分化マクロファージに発現することをmRNAレベルで確認した。以上のことから、Vprの核移行はRch 1により優位に促進される可能性が考えられた。 次に、核移行に関与するImp αのドメイン解析を行った。Imp αはN末から順に、Imp β binding (IBB)ドメイン、NLS認識領域であるアルマジロ構造、CAS結合ドメインを有する。IBBドメイン欠失変異体では、Vprとの結合が著しく失われたが、Vprの核移行には影響は認められなかった。一方、CAS結合ドメインを欠失した変異体では、核移行能は消失したが、核移行能は野生型と同程度に見られた。更に、Imp αと結合するVpr側のドメイン解析をVpr発現細胞抽出液を加えたGST pull down assayで解析した。VprのαH2がImp αと間接的な結合を示した。これらの結果から、VprはImportin αのIBBドメインを介して結合するが、核移行にはCAS結合ドメインが必要であり、この過程はVprとImp αとの間接結合を介して行われる可能性が示唆された。
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