研究概要 |
該当年度の目標に従い、各TLRに対するモノクローナル抗体を整え、(1)樹状細胞におけるTLRの局在、分布、微生物成分との反応性を解析した。(2)TLRの分子集合体解析を行い、新規のアダプター分子を同定した。(3)宿主免疫をデータベース化する試みを次年度にかけて遂行しつつある。(1)樹状細胞subsets (monocyte-derived, myeloid, preDC2)における各ヒトTLRの分布をモノクローナル抗体で解析した。Monocyte-derived DC, myeloid DCはTLR2,TLR3,TLR4を細胞内に、TLR2,TLR4を細胞外に発現した。PreDC2はTLR7、TLR9を細胞外に発現した。DC subsetsは全てtype 1 interferon (IFN)を誘起するが、前者はTLR3を介して、後者はTLR7,TLR9を介してIFN誘導を行うことが判明した。TLR3の細胞内局在はmultivisicular body (MVB)であった(Matsumoto et al.,J Immunol. submitted)。(2)TLR3の分子集合体解析から新規アダプター分子、TICAM-1を同定した。TICAM-1は樹状細胞などのTLRを介したtype 1 IFN誘導pathwayを選択するアダプターである。既知のMyD88,TIRAP/Malというアダプター分子はtype 1 IFN誘導に関与しないことがKO mouseの解析から判明したので、TICAM-1はMyD88-independent pathwayの中心アダプターと想定される(Oshiumi et al.,Nature Immunol.2003)。(3)正常人検体から樹状細胞(monocyte-derived DC)を調整し、100余りのBCG-regulatory genesを同定した(Bebum et al.,Infect.Immun.submitted)。Genechipの結果が間もなく整うので、databaseを作成する。
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