研究概要 |
平成14年度の研究実績は,以下の通りである。 1.文献・資料収集とそのデータベース化 CSCL無を活用した協調的学習や知識創出に関する理論や方法及び「遺伝子組換え食品問題」に関する資料と教育実践を収集し,これまでの研究成果や議論を整理するとともに,これら収集した資料をデータベース化した。 2.知識創出型学習環境の要件の明確化とカリキュラムの構想 科学教育における知識創出型のカリキュラムを支援するための協調的学習環境の要件を定め,暫定的なCSCLシステム(Knowledge Forum)及びカリキュラムの概要を構想した。その具体的な事例として,遺伝子工学の専門家の協力を得て,小学校5年生向けの「遺伝子組換え食品」をテーマとしたデジタルコンテンツとCSCLシステムのカスタマイズを行った。 3.知識創出型学習環境に基づくカリキュラムの試行 2.で開発した学習環境(システム,学習用コンテンツ及びカリキュラム)のデザインを具体化し,神戸大学発達科学部の附属住吉小学校において,システムとしては,日本では初めてKnowledge Forumのサーバ・クライアント版を利用し,5年生を対象として「遺伝子組換え食品」の実験授業を実施した(全23時間)。また本実験授業の一部について,本システムの開発者であるProf. Marlene Scardamalia(トロント大学)らと議論した。 4.日本理科教育学会第52回全国大会,日本科学教育学会第26回年会及び国際会議での発表 日本理科教育学会第52回全国大会及び日本科学教育学会第26回年会において,2で開発した「遺伝仕組み食品」の授業実践についての報告を行った。2002年8月のカナダ・トロント大学でのKnowledge Forum Summer Institute 2002において,「遺伝子組み換え食品」の授業について報告し,CSCLシステム利用に関する日本型の授業の特質について議論した。
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