研究課題/領域番号 |
14023238
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
人文・社会系
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研究機関 | 独立行政法人国立科学博物館 |
研究代表者 |
西城 惠一 国立科学博物館, 理工学研究部, 主任研究官 (90150028)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 天球儀 / 江戸時代 / 中国星座 / 星図 |
研究概要 |
天球儀は星の位置を球面の上に書き記し天球をかたどったもので、通常天の南北極を結ぶ軸の回りに回転する星図の一種である。球面上には恒星や星座・星宿の名前や位置のほかに、赤道や黄道、南北両極やその他の経緯線などが記入され、天文学的考察や教育等の目的に用いられた。わが国では、中国天文学の影響を受け、中国星座を記入した天球儀が江戸時代に製作された。本研究は平成14・15の両年度に行われ、現存が確認される40基あまりの天球儀を実地に調査し、製作年代、製作者、準拠星図、構造・素材、などを明らかにし、相互の比較検討および文献による調査とあいまって、江戸時代の日本製天球儀の特色を明らかにすることが目的である。各天球儀についての詳細な調査は、数基を除けばこれまでほとんどなされていなかった。 平成15年度は研究最終年度であり、15基の天球儀の実地調査をおこなうとともに上記の観点から総合的研究をおこなった。その大きな成果の一つは、製作された天球儀が準拠した星図の変遷とともにその使用法・意識の変遷が明らかになったことである。詳細については省くが、江戸時代中にはまず、1.天体観測器具として、また惑星の運動を調べる器具として用いられ。2.ついで地球儀と対になり、天地の模型、天地の概念を示す器具、としての使用がなされ。3.西洋天文学を導入した中国の天文書から新知識を学び取ろうとした時期の以前との折衷的な天球儀が作られ。4.新知識が一般に普及した幕末期において、天球儀が以前より楽に製作できるようになり、天文暦学上それほど有名でない人も天球儀を製作するようになった。天球儀が天空の模型の説明・教育器具として広く普及した、という変遷が見られる。
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