研究課題/領域番号 |
14026014
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
中村 正孝 東京医科歯科大学, 疾患遺伝子実験センター, 教授 (30180392)
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研究分担者 |
大谷 清 東京医科歯科大学, 疾患遺伝子実験センター, 講師 (30201974)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
2002年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
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キーワード | ウイルス / 癌 / 発現制御 / 細胞周期 / HTLV-I |
研究概要 |
ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV-I)は成人T細胞白血病(ATL)の原因ウイルスである。ウイルスの産生する転写制御因子Taxは、宿主T細胞腫瘍化で主要な役割を果たす。しかし、Taxの腫瘍化での作用の分子機構は不明な点が多い。我々は、Taxが休止期のヒトT細胞で細胞周期の進行を誘導することを明らかにする中で、TaxがG1サイクリン/サイクリン依存性キナーゼ(CDK)遺伝子を発現誘導し、E2Fを活性化することが、細胞周期促進の要因であることを報告している。本研究ではG1サイクリンとCDK遺伝子のプロモーターに与えるTaxの影響を詳細に調べた。その結果、サイクリンD2のみならずCDK2,CDK6遺伝子の発現誘導も、Taxにより直接転写活性化されることが判明した。CDK2プロモーターはNF-κB経路を介して、CDKプロモーターはNF-κB経路とCRER経路を介してTaxの作用を受ける。CDK4遺伝子の発現誘導はTaxの間接的な作用の結果と考えられる。Taxによる細胞周期促進能力の組織特異性を以前に報告した。TaxはT細胞ではサイクリンD2,CDK2,CDK6遺伝子を転写活性化するが、繊維芽細胞では活性化しないことによる。これらの遺伝子を強制発現させると、繊維芽細胞でもE2Fが活性化されるようになった。これらの結果は、NF-κBを介したT細胞特異的な転写制御機構によるG1サイクリン/CDKの発現誘導が、Taxによる細胞周期促進に重要であることを示している。
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