研究課題/領域番号 |
14026046
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
遠藤 仁 杏林大学, 医学部, 教授 (20101115)
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研究分担者 |
安西 尚彦 杏林大学, 医学部, 助手 (70276054)
金 徒慶 杏林大学, 医学部, 助手 (40327474)
金井 好克 杏林大学, 医学部, 助教授 (60204533)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2002年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | 中性アミノ酸トランスポーター / LAT1 / LAT2 / LAT1抑制薬 / BCH / トランスポーター抑制薬 / 癌治療法 / 必須アミノ酸 |
研究概要 |
癌特異的必須アミノ酸トランスポーター(LAT1)には作用するが、正常細胞型トランスポーター(LAT2)には作用が極めて低いLAT1特異抑制物質を新規に合成した。KYT0344やKYT0346は既知物質のBCHの約10,000倍の癌細胞増殖抑制活性を示すものであった。これらのLAT1選択性はLAT2と比較して1000倍以上であり、癌特異的治療薬の候補化合物として位置付けることができると考えられた。 L-タイプアミノ酸トランスポーターの新しいアイソフォームとして、ヒト肝癌由来FLC4細胞から新規のLAT3を発現クローニング法で同定することができた。LAT3はLAT1やLAT2と異なり、4F2hcなどのシャペロンタンパクを必要としない単量体で機能するトランスポーターであった。LAT3は肝癌、前立腺癌に強く発現し、正常細胞にも膵臓、肝臓、骨格筋、心臓、骨髄及び胎児肝にも発現が認められた。その他の腎臓、胎盤、肺、小腸、卵巣、精巣、前立腺、脾臓には弱い発現を認めた。LAT3の輸送基質はL-ロイシン、L-バリン、L-フェニルアラニンで、これらの輸送は既知物質のBCHで阻害された。LAT3はLAT1とは異なる癌細胞発現の特異性と基質選択性を有することから、LAT3は新たな抗癌薬開発の標的分子と位置付けられているので、新規抑制物質の探索が期待される。 癌の遺伝子治療の可能性を追求する目的でマウスLAT1のアンチセンスオリゴヌクレオチドの有用性を検討した。マウスの肉腫由来のS-180細胞をマウスの腹腔内に注入すると、無処置のマウスは2週間前に、全例死亡した。LAT1のアンチセンス処置マウスは全例が2週間以上生存を続け、有為の延命効果を認めた。従ってLAT1遺伝子は癌の遺伝子治療の標的として有望であることが示された。
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