• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

内在性発がん要因としての酸化グアニンとその排除の機構

研究課題

研究課題/領域番号 14026054
研究種目

特定領域研究

配分区分補助金
審査区分 生物系
研究機関福岡歯科大学

研究代表者

高木 康光  福岡歯科大学, 歯学部, 助教授 (20212003)

研究分担者 伊東 理世子  福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (10140865)
下川 英俊  福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (50122792)
真田 正幸  福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (40084264)
研究期間 (年度) 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
2002年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
キーワードDNA修復 / DNA酸化損傷 / 自然突然変異 / 酸化グアニン / 自然発がん
研究概要

生物は酸素を利用してエネルギーを生産し、さらに物質を変換しているが、その過程で生じる活性酸素はきわめて反応性が高く、DNAの塩基も酸化されて様々の修飾塩基を生じる。その中で8-オキソグアニンはアデニンとも対合するので、高い頻度で突然変異をひき起こす。生物はグアニン塩基の酸化に基く突然変異の生起を抑える酵素系を持っていて、その過程に関与する遺伝子の中で最も大きな効果を示すのは大腸菌では、mutT遺伝子であり、それが欠けると自然突然変異の頻度は野生株の数百倍に達する。MutTタンパクは8-オキソグアニンを含むDNA合成前駆体(8-oxo-dGTP)を分解する活性を持つ。
我々はmutTに対応する哺乳動物の遺伝子Mth1を同定し、さらにMth1を欠くマウスを作出した。Mth1^<-/->細胞の自然突然変異率は野生型の約2倍で、Mth1^<-/->マウスでは腫瘍の発生が野生型に比べ高いことを明らかにし、活性酸素によるグアニン塩基の酸化が、内在性の発がん要因として重要なことを明確に示した。ここで注目されるのは、哺乳動物細胞におけるMth1欠損による自然突然変異率の上昇は野生型の2倍程度で、mutT欠損大腸菌における数百倍の上昇率に比べると非常に低いことである。このことは哺乳動物にはMth1の他に同様な機能をもつ遺伝子があり、それがMth1の機能を補完している可能性を示唆している。
データベースからの検索結果より、MTH1蛋白質とアミノ酸配列の相同性を持つ遺伝子を見いだしたので、大腸菌での発現系を構築し、その産物がMTH1蛋白質と同様に8-oxo-dGTPase活性を持つことを見いだした。またこれらのタンパク質は過剰発現により大腸菌mutT変異株が示す高自然突然変異率も抑圧した。以上の結果より我々の作業仮説の正しさが証明されたので、今後はこれらの蛋白質の機能をより詳細に検討してゆきたい。

報告書

(1件)
  • 2002 実績報告書

URL: 

公開日: 2002-04-01   更新日: 2018-03-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi