研究課題/領域番号 |
14026058
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 特殊法人理化学研究所 |
研究代表者 |
井川 洋二 理化学研究所, 井川特別研究室, 特別招聘研究員 (40085618)
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研究分担者 |
倉田 俊一 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (60140901)
加藤 伊陽子 理化学研究所, 井川特別研究室, 研究員 (20333297)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2002年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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キーワード | p51 / p63 / p53 / がん抑制遺伝子 / インテグリン / 細胞周期 / 接着因子 / 皮膚 |
研究概要 |
がん抑制遺伝子p53とそのファミリー遺伝子であるp51/p63のがん抑制効果の差異を明らかにすることを目的として、分子活性および誘導される細胞応答の違いについて検討した。トランスアクチベーション活性による細胞周期調節因子および接着因子の遺伝子の調節に関しては培養細胞で内在性遺伝子活性化の分析とレポータ・アッセイを実施した。血清除去による増殖停止後、低濃度血清による停止解除の実験で、p51発現ヒト単芽球系細胞(U937)ではG1停止が解除されず、p53発現細胞では細胞周期開始後G2期停止が見られた。またDNA損傷に対する応答系でもp51細胞ではG1停止が、p53細胞ではG1停止とG2停止が混在して見られたが、p21waf1およびGADD45の発現はどちらの細胞でも同様に促進されていた。さらに、p51/p63のトランスアクチベーター型アイソフォームによりインテグリンα3鎖の遺伝子発現が誘導され、ラミニン等の細胞外マトリクスへの接着性が表れた。p53ではα3発現および接着性ともに低レベルで検出された。ヒトおよびマウス・ゲノムのα3遺伝子イントロン1にP51/p63結合配列と共通と考えられているP53結合配列が4および3部位に存在することがわかり、p51/p63による直接の遺伝子発現調節機構が示唆された。また、胎仔および成体マウスの皮膚組織の分析でも、p51/p63とα3は上皮基底層に局在し、発現の時期およびレベルにも相関が認められた。これら細胞周期調節と接着因子発現活性化に関する研究結果は、P53には見られない、皮膚発生におけるP51/P63の生物学的意義を説明するとともに、P51/P63による皮膚上皮幹細胞の維持機構および扁平上皮細胞がん化抑制機構を示唆する重要な知見である
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