研究課題/領域番号 |
14026062
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 千葉県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
王 継揚 千葉がんセンター, 病理研究部, 研究員 (80231041)
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研究分担者 |
田川 雅敏 千葉がんセンター, 病理研究部, 部長 (20171572)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2002年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 損傷乗り越えDNA合成 / 突然変異 / 細胞がん化 / DNA修復 |
研究概要 |
平成14年度では以下の研究成果が得られた。 (1)Pol zetaホモ欠失マウスの胎生致死はPol zeta transgeneを導入することにより部分的にレスキューされたが、p53欠損のバックグラウドにした場合ではレスキューされないことが判明し、Pol zeta欠損による胎生致死はp53非依存性であることが示された(Biochem.Biophys.Res.Commun.293:1132.1137,2002)。 (2)肺がんにおいてPol kappaが高頻度に発現亢進していることを見出した。さらに、ヘリカーゼドメインをもつPol thetaが肺がんを始め、大腸がん、胃がん、Bリンパ腫などにおいて、極めて高頻度に発現亢進していることを見出した。また、正常組織では、Pol thetaは免疫系の組織に特異的に発現し、とりわけ免疫グロブリン遺伝子の再構成とクラススイッチを行う初期B細胞と胚中心B細胞で高発現していることが判明した。これらの結果より、Polthetaは、免疫細胞とがん細胞におけるゲノムの組み換えに関わるのではないかと考えられた(論文投稿中)。 (3)Pol kappa-Tgマウスでは、ベンゾピレンによる皮膚がんの発生率がコントロールマウスに比べて上昇することが判明した。 以上の結果より、Pol kapPa及びPol thetaは細胞のがん化に関わっている可能性が示唆された。現在、遺伝子改変マウスを用いて、Pol kappa及びPol thetaの突然変異誘発及び発がん過程で果たす役割についてさらに解析を進めている。
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