研究課題/領域番号 |
14026064
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 国立がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
河野 隆志 国立がんセンター, 研究所・生物学部, 室長 (80280783)
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研究分担者 |
西岡 真輔 国立がんセンター, 研究所・生物学部, 主任研究官 (70342912)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
2002年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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キーワード | 染色体欠失 / がん抑制遺伝子 / V(D)J組換え / 肺がん / リンパ性白血病 / p16 / ミオシン / ホモ欠失 |
研究概要 |
9p21(p16がん抑制遺伝子座)、22q12という種々のヒトがんで高頻度に欠失する染色体領域を対象とし、新規がん抑制遺伝子の探索、染色体欠失発生の分子機構の解明を目指した研究を行った。 1.22q12ホモ欠失領域からの新規肺がん抑制遺伝子MYO18Bの単離 ヒト肺がんの染色体22q12に見い出した両相同染色体完全欠失(ホモ欠失)領域を解析し、新規ミオシンファミリー遺伝子であるMYO18Bを単離した。この遺伝子は約50%の肺がんにおいて、変異、欠失、メチル化により失活していた。MYO18B-cDNAを強制発現することにより、肺がん細胞の足場非依存性増殖能が失われた。以上の結果は、MYO18Bが肺がん抑制遺伝子として機能していることを示している。 2.リンパ性白血病における9p21欠失発生の分子機構の追求 ヒトリンパ性白血病細胞株42例における9p21欠失切断点の分布を調べると共に、15例の細胞株の切断点30個をクローニングし、切断点結合部の構造を明らかにした。9p21領域内には少なくとも5箇所の切断点集中部位が存在し、また、>70%の症例の切断点結合部にはV(D)J組換えの痕跡が残されていた。切断点集中部位配列を含むシャトルプラスミドを用いてヒト細胞内でのV(D)J組換え活性を調べたところ、切断点集中部位配列はV(D)J組換えシグナルとして機能することが示された。よって、リンパ性白血病における9p21欠失の大部分は、9p21領域内に存在するV(D)J組換えシグナル配列様配列を標的とした異常V(D)J組換えによって生じることが示唆された。
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