研究課題/領域番号 |
14026066
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 国立療養所中部病院(長寿医療研究センター) |
研究代表者 |
磯部 健一 国立療養所中部病院, 長寿医療研究センター・老化機構研究部, 部長 (20151441)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
2002年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
|
キーワード | ストレス / 防御システム / GADD34 / Zfp148 / 細胞周期停止 / 蛋白合成阻害 / p53 / ERストレス |
研究概要 |
内外の様々なストレス刺激はDNAを直接、間接に傷害し、それに対し生体細胞は防御システムを持っている。こうした防御システムの破綻が細胞の悪性変化を引き起こすと考えることができる。私達はストレス刺激で活性化されるGADD蛋白とそれに結合する蛋白の働きの解明をめざしてきた。GADD34のノックアウトマウスでERストレスによる細胞の変化をワイルドタイプマウスと比較検討した。ワイルドタイプマウスMEFをThapsigarginあるいはDTTで刺激するとeIF-2αのリン酸化が見られるが、GADD34の発現に従ってeIF-2αが脱リン酸化された。一方、GADD34欠損MEFではeIF-2αのリン酸化からの回復が遅延した。蛋白合成を、メチオニンのアイソトープラベル実験で検索したところ、ワイルドタイプマウスMEFをThapsigarginあるいはDTTで刺激すると一過性の強い蛋白合成阻害が見られるもののすみやかに回復した。一方、GADD34欠損MEFでは蛋白合成阻害の遷延化が観察された。GADD34と結合するZfp148の機能を遺伝子欠損マウスで調べた。胎児期13.5日の始原生殖細胞は増殖を停止するが、それと同時にZfp148の発現が上昇し、p53のリン酸化がおきることが判明した。Zfp148のheteroノックアウトマウスではp53のリン酸化が著しく低下し、始原生殖細胞は死滅した。始原生殖細胞の増殖停止とZfp148の発現上昇、p53リン酸化が一致して観察されることはzfp148が発現上昇すれば、p53のリン酸化を介して、細胞周期停止へと導かれるといった図式と呼応する。
|