研究課題/領域番号 |
14028032
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
井上 寛一 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (30176440)
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研究分担者 |
吉岡 敦子(山下) (日本学術振興会)滋賀医科大学, 医学部, 特別研究員PD
原口 清輝 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (10324576)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2002年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 癌抑制遺伝子 / アポトーシス / ノックアウトマウス |
研究概要 |
我々が分離した癌抑制遺伝子Drsはヒト癌細胞株においてサイクリンAの発現抑制を介して足場非依存性増殖を抑制する。また、我々は大腸癌、肺腺癌、前立腺癌などのヒト悪性癌組織でdrs mRNAの発現抑制が高頻度で起こっていることを明らかにしてきた。本年度、我々は主にプロテオミクスと発生工学の手法を用いてDrs遺伝子の機能と癌化抑制機構を解析し以下の成果を得た。 1.ATLのリンパ腫組織でHTLV Taxの発現に依存しないdrs mRNAの発現抑制が高頻度で起こっていることを見い出した。またATL由来細胞株にDrs遺伝子をレトロウイルスベクターで導入すると増殖抑制を示すことを明らかにした。 2.プロテオミクスの手法を用いて同定した複数のDrs結合蛋白の中でGRP78/BiPは小胞体においてストレスによるアポトーシス誘導に関わっている。Drs遺伝子とアポトーシスとの関連を検討するために種々のヒト癌細胞株にDrs遺伝子を高発現させたところ、Drs遺伝子がCaspase-3とCaspase-9の活性化を伴うアポトーシスを誘導する活性を持つことを見い出した。またDrsはアポトーシス誘導蛋白ASY/Nogo-B/RTN-Xとも結合することも明らかにした。 3.ジーンターゲティング法によってDrs遺伝子ノックアウトマウスを作製することに成功した。現在までに雄(-/Y)と雌(-/-)の両方のDrs KOマウスが胎生致死にならずに生まれてきており、これらのマウスは生殖能力も保持しており交配可能である。これらのDrs KOマウスとそれに由来する初代培養細胞を用いてDrsの個体レベルでの機能と癌化形質の発現に対する影響、また細胞レベルでの増殖、不死化、癌化、アポトーシス、接着、分化などにおけるDrs遺伝子の役割を検討中である。
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