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Rho標的蛋白質を介した細胞悪性化と細胞移動の分子機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 14028034
研究種目

特定領域研究

配分区分補助金
審査区分 生物系
研究機関京都大学

研究代表者

木村 和博  京都大学, 医学研究科, 助手 (60335255)

研究期間 (年度) 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
2002年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
キーワードRho / ROCK / mDia / Rac / 細胞分裂 / 細胞移動 / アクチン細胞骨格
研究概要

本研究では、がん細胞の特性のうち、浸潤転移の基である細胞移動と染色体異常の原因となりうる分裂におけるRhoファミリー蛋白質の役割のついて以下の解析を行った。
1.細胞の移動には、Rhoファミリー蛋白質であるCdc42,Rac,Rhoの活性化と作用が移動細胞中で時空間特異的に統合されることが必要と考えられている。しかし、どのようにしてRhoとRacの作用が細胞の中で統合されているかは、明らかでない。今回、Rhoの情報伝達経路をすべて遮断するC3酵素とその中のROCK経路を選択的に阻害するY-27632の作用を繊維芽細胞で比較検討することによりこの点を検討した。その結果、繊維芽細胞でRhoより出発してROCK非依存性にRacの活性化に至りmembrane ruffleを惹起する経路が存在すること、この経路は、RhoからmDia、Cas、Crk、DOCK180と続いてRacを活性化すること、ROCK経路はこの経路の抑制に働くことを見出した。これらの結果は、RhoよりRacに至る経路が存在すること、この経路の発現はROCKとmDiaというRho下流の2つの経路のバランスによることを示唆するものである。ついで、この2つの経路が生理条件かでどのように発現されるを、マウス小脳顆粒細胞のSDF-1αによる神経突起の形成で解析した。この系で、SDF-1αは低濃度で突起の伸長、高濃度で退縮に働く。解析の結果、突起に伸長も退縮もどちらもRho依存性に起こること、前者の伸長はmDiaを主とした経路でおこり、後者の退縮はROCKによって引き起こされることが明らかとなった。この結果は、mDiaとROCK経路の選択がRhoの活性化の程度によることを示唆するものであった。
2.Pulldown法を用いて、活性化Cdc42の細胞分裂時の動態を解析し、GTP-Cdc42 levelが分裂前期に低下、中期に上昇し、後期に再び低下すること、この変動にRhoファミリーの交換因子ECT-2やGA因子MgcRac-GAPが働いていることを明らかにした。また、ドミナントアクティブ体であるV12-Cdc42の発現実験により、Cdc42の不活化が細胞質分裂の完結に必要だることを見出した。

報告書

(1件)
  • 2002 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Tsuji, T. et al.: "ROCK and mDia1 antagonize in Rho-dependent Rac activation in Swiss 3T3 fibroblasts"Journal of Cell Biology. 157. 819-830 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] Arakawa, Y. et al.: "Control of axon elongation via an SDF-1α/Rho/mDia pathway in cultured cerebellar granule neurons"Journal of Cell Biology. (In press). (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書

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公開日: 2002-04-01   更新日: 2018-03-28  

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