研究課題/領域番号 |
14028035
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大熊 芳明 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 助教授 (70192515)
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研究分担者 |
横井 雅幸 , 助手 (00322701)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
2002年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
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キーワード | 基本転写因子 / TFIIH / TFIIE / 遺伝病 / RNAポリメラーゼII(Pol II) / 転写開始・伸長段階 / Znフィンガーモチーフ / 色素性乾皮症 |
研究概要 |
1.ヒトTFIIEαのZnフィンガー領域の構造解析 ヒト基本転写因子TFIIEはαとβサブユニットがα2β2の4量体を形成し、転写開始と伸長への移行に機能する。αは中央コア領域にZnフィンガーモチーフを有しており、この欠失変異体は試験管内転写系においてドミナントネガティブとして機能することから、転写に重要と考えられる。さらに真正細菌と真核生物の中間に位置する古細菌にもZnフィンガー領域を含むTFIIEαのN末端相当領域だけが保存されていることが示され、種を越えた機能の重要性が考えられている。そこで我々は、この領域をNMR構造解析し、亜鉛を配位するZnフィンガーモチーフであること、DNA結合型の従来のものと異なり表面は負電荷を帯びて蛋白相互作用に重要な役割を持つことを明らかにした。 2.RNAポリメラーゼII(PolII)の転写開始から伸長への移行段階の解析 TFIIEβサブユニットC末端ヘリックス領域に点変異を入れると、直鎖状DNA鋳型によるTFIIEの転写活性が失われた。これら変異は、TFIIHによるPolIICTDのリン酸化活性の促進能も失っていた。以上から、この領域は転写伸長への移行活性に関与すると考えられる。その機能メカニズムは、さらに検討中であるがTFIIHの転写伸長への移行に寄与するp44サブユニットとの結合が変異体では野生型より強くなっていたため、TFIIHとの作用の変化が寄与していると考えられる。 3.ヌクレオチド除去修復因子XPCの修復反応におけるTFIIHとの相互作用 紫外線等によるDNAの損傷の結果生じる皮膚癌を防ぐ損傷修復反応に関与する因子XPCは、遺伝病の色素性乾皮症原因因子で、損傷部位を認識して修復反応の引き金を引く因子であることを我々は明らかにしている。今回、XPCがそのC末端でTFIIHと結合することが修復活性においても大変重要であることを示した。
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