研究課題/領域番号 |
14028041
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
水島 徹 岡山大学, 薬学部, 助教授 (00264060)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
2002年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
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キーワード | DNA複製 / ORC / Cdc6p / ATP / がん / ATPase |
研究概要 |
ヒト正常細胞の核粗抽出液中にORC、及びCdc6PのATPase活性の促進因子が存在するか否かを調べた。粗抽出液をカラムクロマトグラフィーで調べたところ、ORC、及びCdc6PのATPaseに対する促進活性の複数のピークが観察された。がん細胞の核抽出液も同様に解析したとこと、正常細胞とは違うカラムクロマトグラフィーパターンを示した。その内、がん細胞で活性が低下しているORCのATPase活性の促進因子の精製に成功した。アミノ酸配列からこの因子(ORC ATPase Stimulating Factor 1, OAS1と命名)が新規蛋白質であることが明らかになった。以上の結果は、細胞のがん化に伴い、ORC、及びCdc6PのATPase活性が変化することが、がん細胞の異常な複製開始に関与しているという新しい可能性を示している。 我々は、ORCのATP結合に関し、フィルター結合アッセイ法を確立しその生化学的性質を解析した。その結果、Orc5pは、Orc1pとは関係なく高い親和性(Kd値は約10nM)でATPと結合できるのに対し、Orc1pはOrc5pにATPが結合しているときは、高い親和性(Kd値さ約10nM)でATPと結合できるが、OrcsPにATPが結合していないときにはその親和性が大きく低下することを発見した。またOrc1pに対するATP結合はorigin DNAによって促進されるのに対し、Orc5pに対するATP結合はorigin DNAによって影響を受けなかった。さらに、Orc5pとATPとの複合体が非常に安定であるのに対し、Orc1pとATPとの複合体は不安定であることを見出した。
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