研究課題/領域番号 |
14028046
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
吉田 裕樹 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (40260715)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
2002年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | アポトーシス / Apaf1 / ネクローシス / 発癌 |
研究概要 |
Apaf1は、さまざまなアポトーシス誘導刺激によりミトコンドリアが傷害された際に、カスパーゼを活性化することによりアポトーシスを誘導するアダプター分子である。Apaf1遺伝子変異マウスの解析により、Apaf1欠損胚性幹細胞、線維芽細胞、胸腺細胞は抗癌剤刺激や放射線照射を含むさまざまなアポトーシス誘導刺激に抵抗性を示す事が明らかにされている。 Apaf1を欠損する胎仔より胎仔線維芽細胞を得て、これを継代することにより3T3様胎仔線維芽細胞を樹立した。この細胞における抗がん剤などのアポトーシス誘導性薬剤に対する感受性を観察したところ、野生型正常胎仔線維芽細胞に比べて薬剤濃度にして約10倍の抵抗性を示すことが明らかとなった。しかしながら、最終的には、高濃度の薬剤に対してネクローシス様の細胞死が生じることが明らかとなった。このApaf1欠損3T3様胎仔線維芽細胞にレトロウイルスを用いてHeLa細胞のcDNAを導入したところさらに細胞死抵抗性のクローンが複数得られた。現在、このネクローシス様の細胞死を抑制する遺伝子の機能解析、および発癌との関連に関して解析を行っている。これと関連して、Apaf1、Bcl-x両遺伝子欠損マウスにおけるApaf1非依存性の細胞死、放射線照射時の腸管におけるカスパーゼ非依存性の細胞死の存在を明らかにした。このApaf1/カスパーゼ非依存性分子機序を解析するとともに、この細胞死誘導機構とその異常による細胞の癌化との関連を解析している。
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