研究課題/領域番号 |
14028056
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
小松 則夫 自治医科大学, 医学部, 助教授 (50186798)
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研究分担者 |
外島 正樹 自治医科大学, 医学部, 助手 (00306151)
内田 美栄 自治医科大学, 医学部, 助手 (80316520)
森 政樹 自治医科大学, 医学部, 講師 (00337346)
柏井 良文 自治医科大学, 医学部, 助手 (10271222)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2002年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | CML / FKHRL1 / STI571 / 細胞周期 / アポトーシス / 薬剤耐性 / シグナル伝達 |
研究概要 |
FKHRL1は線虫の寿命に関わる分子DAF16のヒトホモログで、サイトカイン刺激によってリン酸化され、核から細胞質へ移行し、不活性化される。CML由来細胞株KCL22ではFKHRL1が恒常的にリン酸化していること、bcr-abl特異的インヒビターであるSTI571によりリン酸化が減弱し、細胞周期がG0/G1期で停止することから、FKHRL1はBcr-Ablから発生したシグナル伝達経路の下流に、不活性型の状態で存在することが強く示唆された。 そこでKCL22に活性型FKHRL1-TM/ERを遺伝子導入し、タモキシフェンによる核内発現誘導システムを樹立した。タモキシフェン添加によって細胞周期はG0/G1期で停止し、3日目にはKCL22細胞のほとんどがアポトーシスで死滅した。一方、ドミナントネガティブ型FKHRL1によって内因性FKHRL1の機能を阻害すると、STI571添加後に細胞周期は停止せずに、著明なアポトーシスを起こして細胞は早期に死滅した。以上の結果から内因性のFKHRL1はSTI571添加後に細胞周期をG0/G1期に停止させることで、むしろ細胞死を回避しようとしていると考えられる。この現象は線虫が劣悪な環境下ではDAF16を機能させて耐性幼虫を形成し、長期生存を可能にする防御機構と極めて類似している。したがってFKHRL1はSTI571耐性に関与する可能性があると考えられる。
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