研究課題/領域番号 |
14028071
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | (財)東京都医学研究機構 |
研究代表者 |
金保 安則 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所・参事研究員(部長) (00214437)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2002年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 細胞運動 / ラッフル膜 / EGF受容体 / 自己リン酸化 / PLCγ1 / CrkII / ARF / PIP5K |
研究概要 |
細胞運動の亢進はがん細胞の浸潤・転移能の獲得に大きく寄与していると考えられており、細胞運動の分子メカニズムを解明することによりがんの浸潤・転移機構の理解を深めることができる。ラッフル膜形成は細胞運動に必須の現象であり、EGF刺激によるラッフル膜形成機構においては、低分子量G蛋白質のRac1が中心的な役割を果たしていることが知られているが、EGF受容体からRac1に至るまでのシグナル伝達機構については不明な点が多い。そこで本研究では、この点についての解析を行い、以下の結果を得た。 EGF受容体の992番目のチロシン残基の自己リン酸化(p-Y992)を必要とするシグナル経路とEGF受容体の自己リン酸化に非依存的なシグナル経路の2つの機構が存在することが明らかとなった。さらに、前者のシグナル経路においてはp-Y992に結合することが知られているホスホリパーゼCγ1が、後者においてはアダプター分子であるCrkIIがそれぞれEGF受容体からのシグナリングを仲介することが示唆された。 また、我々はこれまでに、ホスファチジルイノシトール4-リン酸5-キナ-ゼα(PIP5Kα)の活性化因子として低分子量G蛋白質のARF6を同定し、ARF6→PIP5KαシグナリングはRac1の下流で機能してEGF依存的なラッフル膜形成に関与することを示したが、このシグナル経路が個体レベルでも細胞運動の制御に重要であるかどうかを解析するために、これらの分子のノックアウトマウスを作製・解析中であり、現在、ホモ欠損マウスを得た段階である。
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