研究課題/領域番号 |
14030007
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
菊地 利明 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (10280926)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
2002年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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キーワード | 遺伝子 / 癌 / トランスレーショナル リサーチ / バイオテクノロジー / 免疫学 |
研究概要 |
本研究では、抗腫瘍血管療法と免疫療法の併用がそれぞれ不十分な点を補い合い、相乗的な抗腫瘍効果を発揮するという仮説を検証する。具体的には、抗腫瘍血管療法としてNK4(malignostatin)を発現する組換えアデノウイルスベクター(AdNK4)を、免疫療法として樹状細胞を、それぞれ直接in vivoで腫瘍に導入し、その併用による抗腫瘍効果を判定する。また、これまでのin vitroでの樹状細胞研究の結果より、腫瘍内に局注した樹状細胞が、腫瘍特異的な免疫応答を惹起するためには、腫瘍内でのアポトーシス細胞とネクローシス細胞の混在が重要と予想される。当該研究は、この仮説をin vivoで検証するものでもある。 前年度の研究成果により、マウス大腸がん細胞と、マウス悪性黒色腫細胞の腫瘍において、AdNK4と樹状細胞の併用による抗腫瘍効果を認めていた。今年度はまず、この抗腫瘍効果が、免疫原性の低いマウス肺がん細胞と、マウスリンパ腫細胞でも認められ、腫瘍細胞の種類に依存しないことを確認した。次に、この抗腫瘍効果のメカニズムを解明するために、AdNK4と樹状細胞の併用により、腫瘍特異的なcytotoxic T細胞(CTL)がin vivoで誘導されていることを明らかにした。さらに、AdNK4を投与した腫瘍を調べたところ、腫瘍内で強発現させたNK4は、腫瘍内血管新生を著明に抑制し、腫瘍細胞のアポトーシスとネクローシスを同時に誘導していた。 本研究で得られた知見を総合すると、腫瘍内投与された樹状細胞は、NK4の腫瘍内発現によりアポトーシスに陥った腫瘍細胞を、ネクローシス細胞からの刺激を受けながら取り込み、宿主内で腫瘍特異的な細胞性免疫応答を誘導すると考えられた。以上のことから、抗腫瘍血管療法と樹状細胞免疫療法の併用は、癌治療の一つの方向として、有用であることが示唆された。
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