研究課題/領域番号 |
14030008
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
小野寺 雅史 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (10334062)
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研究分担者 |
中内 啓光 東京大学, 医科学研究所, 教授 (40175485)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
2002年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
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キーワード | 遺伝子治療 / ウイルス / トランスレーショナルリサーチ / 免疫学 / 癌 |
研究概要 |
[目的]レトロウイルスベクターを用いてガン関連遺伝子を導入した造血前駆細胞をサイトカインで樹状細胞(DC)へと分化誘導し、これら感染DCで免疫するか、あるいは末梢血リンパ球と共培養することで効率良く腫瘍特異的細胞傷害性T細胞を樹立する。[方法]当教室で開発したレトロウイルスベクターGCDNsamI/Eにガン抗原ovalbumin(OVA)遺伝子を組込み、水庖性口内炎ウイルス由来のG蛋白質でパッケージしたOVA発現ウイルスを作製し、ウイルス感染にてOVA遺伝子をマウス造血前駆細胞(c-KIT陽性lineage陰性細胞)に導入、最終的にはGM-SCFとIL-4でOVA発現DC(DC/OVA)へと分化誘導させた。[結果]DC/OVAはCD11c、CD40、MHC classII、CD86が強陽性で、サイトカインで細胞数を増加させたことから未処置の骨髄から得られるDCの約17倍のDCを得ることができた。次にDC/OVAの抗原提示能を確認するため、B3Z(OVA拘束性T細胞ハイブリドーマで抗原提示細胞がOVAペプチドをclassI上に提示することで細胞内LacZが活性化する細胞)と共培養したところ、OVA発現胸腺腫(EL-4)と同程度のB3Zの活性化を示した。また、DC/OVAをマウスに免疫したところ、OVA発現腫瘍のみを完全に拒絶し、さらにはマウス血液中に抗OVA抗体も出現した。[考察]以上の結果からウイルスベクターにより高発現したOVAが細胞内でプロセスされ、細胞内抗原としてclassI上で提示されたことが示唆された。また、抗体産生を認めたことから、CD4^+T細胞に対してもOVAペプチドがclassII上で提示された可能性が示唆され、本法は細胞性、液性の両免疫を賦活化できることからヒトCD34陽性造血前駆細胞を用いることでヒト腫瘍細胞に対する有用な養子免疫遺伝子細胞治療となると考えられた。
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