研究課題/領域番号 |
14030014
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松島 綱治 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50222427)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
2002年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
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キーワード | GVHD / CD8 T cells / Host DC / Peyer's patch / CTL / CCR5-CCL5 / α4β7-MAdCAM-1 / Peyer's patch-less mice |
研究概要 |
急性移植片対宿主病(Graft-versus-host disease : GVHD)は、悪性腫瘍、特に血液系悪性腫瘍に対して最も有効的な治療法として考えられている骨髄移植の際の致死的併発疾患であり、腸管上皮、胆管上皮、皮膚上皮が主な標的となる。主にドナー由来のCD8+Tリンパ球がホスト由来の樹状細胞(dendritic cells : DC)により活性化され、傷害担当細胞(cytotoxic T cells : CTL)に分化し、臓器傷害をもたらすとされているが、生体のどこでホストの同系(アロ)抗原に対し特異的に反応するCTLが誘導されるのか未だ不明であった。われわれは、まずドナーCD8+Tリンパ球の生体内での追跡調査およびこれらの細胞のそれぞれの時点での機能解析を行った。驚くべきことに、移植後早期に、脾臓やリンパ節ではなく、腸の粘膜にあるパイエル板で、ホストに対するアロ特異的CTLが分化することが解った。また、このパイエル板へのドナー細胞の流入にはCCR5-CCL5相互作用、α4β7-MAdCAM-1相互作用が関わっていることを、ノックアウトマウスでの実験、および抗体実験でそれぞれ証明した。さらにパイエル板欠損マウスでGVHDを誘導し得ないことから、パイエル板へのドナー細胞の流入、そしてその場でのCTLへの分化が急性GVHD発症の鍵であることを証明した。
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