研究課題/領域番号 |
14030018
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
影近 弘之 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (20177348)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2002年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | レチノイド / 核内受容体 / RAR / RXR / APL / トロポロン / ベンゾフロキサン / アンタゴニスト |
研究概要 |
レチノイドは、レチノイン酸の天然及び合成誘導体の総称であり、核内受容体RAR、RXRと結合・活性化することにより、直接的に特異的応答遺伝子の発現を制御して、細胞の分化、増殖、形態形成などの重要な生命現象を制御している。レチノイン酸は白血病APLに対して高い寛解率を示し、APLの分化誘導療法剤として確立した。しかし、APLでの再発・耐性の問題に加え、既存レチノイドの制癌剤としての有用性は非常に限られている。そこで、レチノイド療法の適応拡大を目的に、多彩なレチノイド作用を担う核内受容体RARおよびRXRの特異的リガンドを創製した。 RARについては、我々が開発し、再発APL治療薬としての治験がほぼ終了したAm80をリード化合物として構造展開し、トロポロン誘導体、ベンゾフロキサン誘導体にそれぞれレチノイドアゴニストおよびアンタゴニスト活性を見いだした。これらはカルボキシル基を持たないレチノイドであり、体内動態や臓器分布に特異性を発揮すると考えられる。 RXRリガンドについては、既に本研究者が報告した強力なアゴニストPA024とアンタゴニストHX531の構造吟味から、より受容体選択性の高いRXRアンタゴニストPA452を見いだした。PA452はレチノイドの作用には影響を与えず、レチノイドとRXRアゴニストの併用によるレチノイドシナジスト活性を選択的に抑制した。 一方、DNAチップを使った遺伝子発現プロファイルを検討した結果、RXRアゴニストの中に、Am80と併用した場合に異なるプロファイルを示すものを見いだした。この結果はレチノイド療法におけるRXRリガンドの併用効果に新たな知見を与えるとともに、RXRの関与する他のホルモン療法での興味深い効果が期待できる。
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