研究課題/領域番号 |
14030030
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
向田 直史 金沢大学, がん研究所, 教授 (30182067)
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研究分担者 |
佐々木 洋子 金沢大学, がん研究所, 助手 (90324110)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
2002年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
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キーワード | 単球走化因子 / アデノウイルスベクター / ケモカイン / フラクタルカイン / キメラ蛋白 / マクロファージ / チミディン・キナーゼ / ガンシクロビール |
研究概要 |
従来の研究成果から、単球走化因子(MCP-1)遺伝子導入したがん細胞株の腫瘍形成能・転移能が低下することが明らかになっている。本年度は、MCP-1による遺伝子治療法の基礎的検討のために、(1)腫瘍免疫成立過程でのMCP-1の役割(2)自殺遺伝子併用によるMCP-1遺伝子治療法によるがん退縮効果の機序を検討した。 その結果、(1)IL-4遺伝子導入colon 26細胞の腫瘍拒絶過程において、IL-4遺伝子導入株を接種したマウスの所属リンパ節では、MCP-1の発現が誘導される結果、抗原提示能を有するMCP-1レセプターを保有する樹状細胞が所属リンパ節へと動員され、腫瘍が効果的に拒絶されることを示唆する結果を得られた。 (2)CAGプロモーター下流にチミディン・キナーゼ(tk)遺伝子とMCP-1遺伝子とを、IRES配列をはさんだ形で並列して連結させたアデノウイルスベクターを作成した。tkを単独で発現させるアデノウイルスベクターに比べて、今回作成したベクターによるtkの発現量は同程度であった。しかし、MCP-1産生量は、MCP-1遺伝子単独発現ベクターに比較して、今回作成したベクターは約1/10程度であった。しかし、ヒト肝がん細胞株を接種したヌードマウスの腫瘍内に、このベクターを接種して、ガンシクロビールを全身投与すると、腫瘍壊死因子の産生を伴い、マクロファージ依存性に、腫瘍が完全に退縮することが認められた。したがって、MCP-1を用いた遺伝子治療法の場合には、発現されるMCP-1量が低くても、標的細胞の動員・活性化を引き起こすことができる可能性があると考えられた。 さらに、細胞膜に発現するMCP-1キメラ蛋白を発現するアデノウイルスベクターを開発し、このベクターの投与によって、細胞膜に生物活性を保有するMCP-1が発現していることを確認した。
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