研究課題/領域番号 |
14030034
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松口 徹也 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10303629)
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研究分担者 |
吉開 泰信 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (90158402)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
2002年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
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キーワード | IL-15 / メモリCD8細胞 / NK細胞 / 腫瘍免疫 / 遺伝子治療 / メラノーマ / トランスジェニックマウス / 樹状細胞 |
研究概要 |
IL-15はメモリーCD8^+ T細胞とNK細胞の産生と維持に必須の役割を持ち、IL-15を用いた治療は新しい抗腫瘍免疫療法として期待される。今回、我々が作製した分泌型IL-15トランスジェニック(Tg)マウスに2系統のB16メラノーマ腫瘍細胞(MHC classI陽性のB16F10とMHC class I陰性のB16.44細胞株)を側腹部皮下に接種後、腫瘍サイズの増大を観察した。B16.44細胞株接種後、正常マウスでは腫瘤を形成した(接種後29日目で平均体積8500mm3)が、IL-15Tgマウスでは腫瘤形成を全く認めなかった。両マウス系統の脾臓細胞のNK活性を測定したところ、すべてのターゲットでコントロールと比べてIL-15Tgマウスで著しいNK活性の上昇を認めた。また、抗asialoGM1抗体によってNK細胞をdepleteするとIL-15TgマウスでもB16.44接種にて著明な腫瘤形成が認められた。一方、B16F10接種後は両マウス系統で腫瘤形成を認めたが、その増殖速度はIL-15Tgマウスにおいて有意に抑制されていた。B16F10接種後10日後にB16F10に対するCTL活性を測定したところ、IL-15TgにおけるCTL活性はコントロールに比べて上昇していた。また、抗CD8抗体投与によってCD8陽性T細胞をdepleteしたIL-15TgマウスではB16F10の増殖抑制が著明に減弱した。同様な抑制効果は抗asialoGM1抗体投与にても認められたが、抗CD4抗体によるCD4陽性T細胞のdepletionは効果が認められなかった。 次に、生体内での発現分布を容易にするためにGFPをつけたIL-15遺伝子発現ベクターを作製し、マウスへの筋肉投与によってIL-15-GFP融合蛋白が所属リンパ節において樹状細胞とマクロファージに効率よく発現されることを示し、IL-15の遺伝子治療の可能性を示した。
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