研究課題/領域番号 |
14030042
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
芝本 雄太 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20144719)
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研究分担者 |
伊藤 雅人 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (20244569)
原 眞咲 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (50244562)
土井 隆一郎 京都大学, 医学研究科, 講師 (20301236)
荻野 浩幸 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (60315885)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2002年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 放射線増感剤 / 低酸素細胞増感剤 / 膵癌 / 術中照射 |
研究概要 |
切除不能膵癌に対して術中照射と新しいフッ素化2-ニトロイミダゾール系低酸素細胞増感剤KU-2285を併用する臨床研究を行った。対象は肝転移や腹膜播種のないIVa期までの切除不能膵癌症例で、術中照射の適応となる患者である。術中照射の際生検を行い、組織診を確定させた。術中照射の1-1.5時間前にKU-2285 7g/m^2を小腸内に投与し、30Gyの照射を行った。消化管に対しては14Gyまでとし、消化管に照射される場合はfield-in-field法を用いて、30Gyを投与した。また術中照射の際の消化管への照射線量に応じて、外部照射40-50Gyを併用した。これまでに31例膵癌患者に対してこの治療を行ったが、そのうちの19例が非転移症例であった。この19例の生存期間中央値は12.5ヶ月であり、1年局所制御率は56%であった。これは術中照射の際に増感剤を使用しなかった対照群の8ヶ月および27%と比べて良好な成績である。現在2名が術中照射後26および14ヶ月で、明らかな画像上の再発所見なく生存中である。KU-2285投与に伴う重篤な有害事象は認めなかった。KU-2285は術中照射などの一回大線量照射と併用すれば有用性が期待できる有望な低酸素細胞増感剤であると考えられた。基礎実験としては、KU-2285よりもより多く臨床で使用されているニモラゾール、サナゾールについて、マウスEMT6およびSCCVII培養細胞およびそれらをBalb/cおよびC3Hマウスに移植した腫瘍を用いて増感効果を検討した。いずれの化合物も明らかな効果を認めたが、増感率に関しては以前に報告されているKU-2285の増感率にはやや劣ると考えられた。これらの化合物について、KU-2285に代わって臨床的検討を行う価値があるか否かについては、さらに今後の検討が必要である。
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