研究課題/領域番号 |
14030044
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
杉山 治夫 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (70162906)
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研究分担者 |
岡 芳弘 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20273691)
尾路 祐介 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (20294100)
坪井 昭博 大阪大学, 医学系研究科, 客員助教授
川上 学 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座教員
小川 啓恭 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (80194447)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
25,100千円 (直接経費: 25,100千円)
2004年度: 9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
2003年度: 8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
2002年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
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キーワード | WT1 / Wilms' tumor gene / 白血病 / 遺伝子診断 / WT1アッセイ |
研究概要 |
方法 1.WT1ペプチドを用いた白血病に対する免疫療法の第I/II相臨床試験として、WT1ペプチドを投与されたAML患者の白血病細胞の微小残存細胞量(MRD : Minimal Residual Disease)をWT1アッソセイを用いてフォローした。 2.患者 HLA-A*2402で、CRであるがMRDが陽性の3名のAML患者(NO.21,23,24)。FAB分類では、No.21はM4Eの33才、男性、No.23はM1、44才、女性、No.24はM3の60才、女性。 3.WT1 vaccination No.21の患者には、天然型WT1ペプチド(CMTWNQMNL)3.0mg/bodyをモンタナイドアジュバントとともに2週間毎に皮内投与した。No.23とNo.24の患者には、改変型WT1ペプチド(CYTWNQMNL)3.0mg/bodyをモンタナイドアジュバントとともに2週間毎に皮内投与した。 4.WT1アッセイ WT1 vaccinati0n中、適宜、末梢血(PB)や骨髄(BM)のWT1mRNA量をreal-time RT-PCR法で測定した。 結果 1.No.21のAML(M4E)の患者ではWTI vaccination前、WT1レベルが異常でMRDの存在が示唆されたが、WT1 vaccination3回後に、WT1レベルが正常化した。しかし継続投与の判定のために時間を要し、WT1 vaccination 3回目の後中断したところ、1ヶ月後には、WT1レベルが再び異常高値となったが、WT1 vaccinationを再開したところ、WT1レベルが急速に低下し、正常化した。その後再び約1ヶ月半、WT1 vaccinationを中断したところ、再度WT1レベルが上昇したが、WT1 vaccinationの再開により徐々に低下し、WT1 vaccinationのスタートから約1年10ヵ月後(2週間毎にWT1 vaccinationを継続している)、WT1レベルは正常化している。 2.No.23のAML(M1)の患者では、WT1 vaccination前のBMでのWT1レベルの異常高値であったが、WT1 vaccination後、WT1レベルは低下し、4回のWT1 vaccination後、正常化した。1年8ヶ月目もWT1レベルは正常化している。 3.No.24のAML(M3)の患者ではWT1 vaccinationのスタート時、PBでのWT1レベルが異常高値(6×10^<-4>であったが、WT1 vaccinationの2週間毎1回の継続で、WT1レベルが徐々に低下し、1年7ヵ月後には、IX10^<-4>程度に低下した。PBのWT1レベルの1×10^<-4>は、まだわずかなMRDの存在を示唆すると思われる。一方、血小板数は、WT1 vaccination前は5.0万程度で、白血病細胞の残存になる骨髄抑制が示唆されたが、WT1 vaccination後、血小板数はゆっくりと上昇し、1年7ヵ月後には、12-3万程度に回復し、白血病細胞の減少が示唆された。 考察 WT1 vaccination後のAML患者の臨床所見と、WTIアッセイによるWT1レベルとの間に相関が認められWT1アッセイは、AMLのMRDのフォローに有効であることが示された。
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