研究課題/領域番号 |
14030063
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
原田 実根 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (00019621)
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研究分担者 |
権藤 久司 九州大学, 医学部附属病院, 講師 (10253428)
大塚 輝久 九州大学, 医学部附属病院, 助教授 (20185317)
中野 修治 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (40164248)
宮本 敏浩 九州大学, 医学部附属病院, 助手 (70343324)
長藤 宏司 九州大学, 医学部附属病院, 助手 (60343323)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2002年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 固形腫瘍 / 抹消血幹細胞 / 移植 / 同種免疫 / 腫瘍抗原 / ミニ移植 / 骨髄非破壊的 |
研究概要 |
44歳から64歳までの固形腫瘍患者で、化学療法や放射線療法に抵抗性となった患者を対象に、フルダラビン/エンドキサン、フルダラビン/ブスルファン、フルダラビン/TBIを前処置とし、シクロスポリン/メソトレキサートによるGVHD予防にて同種末梢血幹細胞移植を施行した。症例は計8名(膵癌5例、胃癌・大腸癌・腎癌各1例)である。7例において完全キメラの状態を確認した。100日以内の移植関連死亡は認められず、最良総合効果は、膵癌の4例にPRを認めた。GVHDは、急性3例、慢性は3例中1例に認められた。100日以内の腫瘍死は3例、100日以降が2例であった。現在評価可能の6例において、100日以内の移植関連死は認められず、8例中7例において完全キメラを達成した。以上より、本療法は固形腫瘍患者に対しても安全に施行することが可能であった。腎癌およびその他の固形癌に対して、本療法は国内外にて積極的に行われつつある。また奏功率とGVHDの強い相関も示されている。進行期膵臓癌は極めて予後が悪いが、今回5症例中4症例でPRという極めて有望な成績が得られた。今後は腎癌、膵臓癌については症例数を増やし、どのような病態で同種末梢血幹細胞移植療法が有効なのか、その因子の同定を行う予定である。GVHDと抗腫瘍効果の密接な関係を認めることから、抗腫瘍効果は腫瘍特異抗原よりminor histocompatibility抗原を介して起きている可能性が高いと推測される。したがって、抗腫瘍効果が確認された症例で、ドナーとレシペントのminor histocompatibility抗原の差違の有無を検討中である。
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