研究課題/領域番号 |
14030067
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
鵜殿 平一郎 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (50260659)
|
研究分担者 |
由井 克之 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (90274638)
|
研究期間 (年度) |
2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
2002年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
|
キーワード | hsp90 / PA28 / 抗原提示 / プロテアソーム / MHCクラスI / 細胞周期 / アポトーシス |
研究概要 |
プロテアソーム調節分子PA28は20Sプロテアソームのペプチド分解活性を促進し、癌抗原を初めとする多くの抗原ペプチドのプロセシングを促進すると考えられている。一方、相当数の抗原ペプチドのプロセシングはPA28により促進されないことも報告されている。我々の研究結果はさらに踏み込み、MHCクラスI結合ペプチドのアンカーモチーフ構造がPA28依存性のプロセシングに影響を与える可能性を示唆した。さらには、hsp90がPA28に類似の機能を有することを明らかにし、MHCクラスI抗原のプロセシングがPA28とhsp90のそれぞれ異なる経路に支配されていることが明らかになった。即ち、抗原ペプチドはPA28-、hsp90-、或いはこの両者によってプロセシングされるものに分類され、その大原則にペプチドのアンカーモチーフが関与している。 またPA28α鎖のドミナント-ネガティブ分子(PA28αΔC5)を発見した。PA28αΔC5を含むハイブリッドプロテアソームの酵素活性は完全に消失する。本来PA28-プロテアソーム分子は蛋白分解の酵素であり、抗原提示専門の酵素ではないため、非常にバラエティに富む働きを行っていると考えるのが当然であり、事実、細胞周期及びアポトーシスの制御に関与があることがPA28αΔC5を用いた実験で初めて明らかになった。これらの原因は即ちPA28-プロテアソーム分子により、ある程度選択的に細胞周期関連分子の分解が行われているためであり、その結果アポトーシス制御にも影響を及ぼすということである。 以上の結果は、抗原提示のみならず、癌細胞の増殖、死滅においてもPA28分子が非常に重要な機能を果たす可能性を示唆しており、今後PA28の機能をうまくコントロールすることにより癌治療に大いに貢献できる可能性があると考えられる。
|