研究課題/領域番号 |
14030072
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
古川 龍彦 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (40219100)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
2002年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
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キーワード | 銅トランスポータ / 抗癌剤耐性 / シスプラチン / PタイプATPase |
研究概要 |
複数のATP7A発現細胞を用いて、種々の抗癌剤に対する耐性度をMTTアッセイで調べた。アドリアマイシン(ADM)、Mitxantrone、CPT-11、VP-16、Paclitaxel、CDDP、SN-38に対してそれぞれ10、5.5、3.5、10、2.5、100倍の耐性を示すことが確認できた。 抗癌剤ADMに対してATP7A発現細胞は約10倍耐性となる。その蛍光を利用して、ADMのATP7A発現細胞での細胞内の局在を調べた。その結果、親株細胞やATP7B発現細胞では核に強い蛍光が観察されたが、ATP7A発現細胞ではADMの蛍光が全体に弱く、蛍光も核周辺に局在していることが確認された。さらに、RI標識ADMを用いてその細胞外への排出を調べたATP7A発現細胞でADMの排出が亢進して蓄積が減少していた。 ヒンジドメインの1270番目のアスパラギンをセリンに置換した変異型ATP7B(激症型ウイルソン病の患者に見られる)の発現細胞と6つある銅結合部位の5種類の欠失変異ATP7B発現細胞を単離して、CDDPに対する耐性を調べた。銅の輸送に重要であると考えられるヒンジドメインの変異体や6番目の銅結合部位の欠失変異体ではCDDPに対して感受性を示し、ATP7Bの輸送機能がCDDP耐性に関わっている可能性をしめした。 また、野生型のATP7B発現細胞について様々な発現量を示す10個以上におよぶATP7B発現細胞株と単離してCDDP耐性を検討した。その結果ATP7Bの発現量が非常に高い場株ではCDDPにむしろ感受性になる結果を得た。 ATP7AとATP7B発現細胞の耐性克服薬剤のスクリーニングを行っているが、現在までのところ、有望な薬剤は見いだしていない。
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