研究課題/領域番号 |
14030073
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
伊東 文生 札幌医科大学, 医学部, 講師 (90223180)
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研究分担者 |
吉田 幸成 札幌医科大学, 医学部, 助手 (60311411)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
2002年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
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キーワード | 消化器癌 / 早期診断 / DNAメチル化 / 分子マーカー / DFNA5 / CpGアイランド |
研究概要 |
胃癌において異常メチル化しているDNA断片50cloneについて解析した結果、20の遺伝子断片に関しては、その近傍にCpGアイランドを有し、癌細胞株および胃癌組織において異常メチル化認めることが明らかとなった。これらの遺伝子の異常メチル化およびヒストン脱アセチル化は遺伝子の発現低下とよく相関していた。よって、MCA法により得られたDNA断片は胃癌において不活化している新しい癌抑制遺伝子同定のためのマーカーとして有用と考えられた。さらに、胃癌の早期発見における分子マーカーとして、異常メチル化を用いる可能性について検討した。MCA法で得られた新規癌抑制遺伝子の侯補であるDFNA5の異常メチル化は、癌特異的であり、慢性胃炎や腸上皮化成ではメチル化を認めなかった。一方、DFNA5のCpGアイランド周辺のメチル化レベルは腸上皮化成、H.pyroliの感染の有無とよく相関した。これらの事実は、CpGアイランド全体のメチル化レベルをインデックス化することにより、癌化のリスクを推定出来る可能性を示唆する。 一方、炎症性腸疾患と総称される、潰瘍性大腸炎およびクローン病の病因に関しては不明な点が多い。炎症性腸疾患長期罹患例には、しばしばdysplasiaと呼ばれる異型上皮が発生し、前癌病変として重要であると考えられている。特に長期罹患例のdysplasiaには、染色体の増幅や欠失、遺伝子の変異が認められるとの報告がある。しかし、既知の癌遺伝子、癌抑制遺伝子の異常の頻度は低く、細胞の異型を引き起こすメカニズムを説明しうる分子マーカーは極めて少なく、今後の検討が必要である。
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