研究概要 |
ヒトパピローマウイルス(HPV)が口腔粘膜の乳頭腫や扁平上皮癌で検出されていて、これらの疾患の病因でないかと考えられている。本研究は沖縄県宮古島を中心にHPVについて地理病理的、疫病的、分子病理学的に解明しようとするものである。 ウイルスの感染様式を知るために,宮古島でHPVがどのような頻度で感染しているのか,またどのような型が多いかについて,口腔頬粘膜のブラシによる剥離上皮細胞からDNAを抽出して調べる。宮古島でのHPV陽性者また型によって分布地図をつくり,また新しいタイプのHPVの発見に努める. 宮古島在住668人の健康人の調査では,検出されたHPV型は粘膜型のハイリスクタイプHPVであるHPV16が2歳の女性に、ローリスクタイプHPVであるHPV53,71が70歳の女性、48歳の男性にそれぞれ検出された。また皮膚型のHPV12が71歳女性に検出された。HPV陽性サンプルの女性対男性の比率は3:1であった。 宮古島のデータと比較するために,石垣島などの他の離島の症例,さらにインドネシア,ジャカルタとブラジル,リオデジャネイロの健常者の口腔粘膜の擦過上皮細胞についても試料収集の準備を行った。
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