研究課題/領域番号 |
14031208
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
程 クン 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (40207460)
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研究分担者 |
鈴木 誠 新潟大学, 歯学部附属病院, 講師 (50107778)
大城 和文 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (50332648)
依田 浩子(米持) 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (60293213)
朔 敬 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40145264)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2002年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | アジア民族 / 口腔粘膜癌 / 表在型扁平上皮癌 / 前癌病変 / 病理疫学 / 歯科補綴物 / 噛みたばこ / がん遺伝子 |
研究概要 |
わが国(新潟県、本学の病理検査台帳から)500例以上の口腔粘膜癌を抽出し、その中から、前癌病変としての異型上皮をともなう増殖が基本的に表在性に限局される扁平上皮癌46例を検鏡のうえ抽出した。それと同時に、韓国・中国・東南アジア地域のそれぞれの共同研究者に依頼し、各施設から460例の口腔粘膜癌症例が収集した。各国から生検および手術材料のHE染色標本について共同で再検討し、59例が同様の表在性癌に相当する症例として診断を確定した。また、これら症例について、年齢、性、住所、民族、初診時期、口腔診査、症状、経過、処置、予後、とくに歯科補綴処置について、疫学調査を施行した。その結果、従来異型上皮ないしは上皮内癌あるいは初期浸潤癌までを同一病変内に包含する表在性の扁平上皮癌の存在を確認することができた。それらの表在性癌は辺縁部にかならず特徴的な二相性異型上皮をともない、癌部は特徴的な棘細胞型、基底細胞型、疣贅型の三種の組織型に分類できる基本的には上皮内にとどまる扁平上皮癌であった。この病変は、日本人患者の場合、歯科治療歴との密接な関連があり、女性に多いことが特徴的であったが、対照的に東南アジアの患者は、歯科治療歴との関連はなく、噛みたばこ習慣を有し、男性に多いことが判明した。がん抑制遺伝子P53などの免疫組織化学的には、表在性癌と判断される病変内の異なる異型度の上皮内病変は、浸潤性は獲得していないものの、すでに機能的には癌とみなすべき病変であることが示唆された。したがって、口腔粘膜の表在性癌は他臓器とは異なり高分化で従来は診断困難でみのがされてきていることが示唆され、本研究によって口腔粘膜扁平上皮癌の病理組織学的診断基準を新たにする展望がえられた。マイクロディセクション法による遺伝子解析は現在進行中である。
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