研究課題/領域番号 |
14031217
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
柴田 義貞 長崎大学, 医学部, 教授 (40010954)
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研究分担者 |
本田 純久 長崎大学, 医学部, 助手 (90244053)
中島 正洋 長崎大学, 医学部, 講師 (50284683)
山下 俊一 長崎大学, 医学部, 教授 (30200679)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2002年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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キーワード | チェルノブイリ / 小児甲状腺がん / 症例対照研究 / 遺伝子異常 / 細胞内情報伝達系 / 国際甲状腺組織登録バンク / 国際研究者交流 / ベラルーシ:ロシア:ウクライナ |
研究概要 |
国際機関との共同研究として、小児甲状腺がんの症例対照研究および特定被曝集団の長期追跡調査を実施すると共に、国際甲状腺組織登録バンクの管理運営に継続参加し、収集した標本を基に各種免疫組織学的解析および甲状腺がん関連遺伝子の解析を行い、主として以下の成果を得た。 1.チェルノブイリ事故後周辺地域で多発した小児甲状腺がんが事故で放出された短寿命放射性ヨードによることを再確認した。また、小児甲状腺がんに関する症例対照研究の予備解析結果を報告した。 2.T-PCRの問題点を指摘し、新しいret/PTC遺伝子異常の再配列を発見した。さらに、axlとそのリガンドであるgas6の発現異常をチェルノブイリ周辺甲状腺がん組織で証明し、c-abl非受容体型チロシンリン酸化酵素の甲状腺がん過剰発現を証明した。 3.ロシア連邦の甲状腺がん症例の入手済み手術標本を用いて、ミトコンドリア遺伝子(mtDNA)の部分欠失や巨大欠損の詳細なプロファイル解析を行い、放射線被曝線量との相関関係を示唆するデータを得た。 4.Select-PCR法による放射線誘発新規遺伝子hSNKのクローニング後、特異的モノクローナル抗体の作成に成功し、甲状腺がんにおける免疫組織学的検索を行い特許を取得した。 5.国際甲状腺組織登録バンク運営の一環として、現地からの研修生を受け入れ、組織からのDNA、RNAの同時抽出を指導した。 6.甲状腺がんの新しい細胞内情報伝達系の異常所見として、beta-cateninの局在異常とがん化機構への関与を明らかにし、さらに血管内皮細胞に特異的に存在するTie-2や血管増殖因子が甲状腺がん細胞に異所性に過剰発現する事実を発見した。 7.最近5年間のチェルノブイリ関連プロジェクトの総まとめを行い、現時点での学術共同研究の問題点、今後の展望と研究の方向性を提言し、国際的な単行本として出版した。
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