研究課題/領域番号 |
14032201
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岡田 雅人 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (10177058)
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研究分担者 |
名田 茂之 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (50291448)
広瀬 隆 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (30343247)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
94,100千円 (直接経費: 94,100千円)
2004年度: 33,100千円 (直接経費: 33,100千円)
2003年度: 35,000千円 (直接経費: 35,000千円)
2002年度: 26,000千円 (直接経費: 26,000千円)
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キーワード | がん遺伝子 / がん / チロシンキナーゼ / シグナル伝達 / 上皮 / Src / Csk / ラフト / 浸潤転移 / 上皮組織 / 細胞接着 / 線虫 / 遺伝子 / 癌 / 酵素 / 発生・分化 / SFK / Cbp |
研究概要 |
がん体質は、がん原遺伝子/がん抑制遺伝子などに生じる変異の状態を反映するが、発がんの抑制、あるいはがん化した細胞の活動を制御する新たな方策を開拓するためには、がん関連遺伝子の本質的な機能と制御機構に関する分子レベルでの理解が重要となる。そこで本研究では、Src型がん原遺伝子産物(Src family kinase ; SFK)に焦点をあてて、それらの機能および制御機構の解析を通して、がんの悪性化、特に浸潤転移能獲得のメカニズムを明らかにすることを目的とした研究を行い以下の成績を得た。1.上皮系がん細胞やSFKの制御因子Cskをノックアウトした動物組織を用いた解析より、上皮系細胞のSFKが、上皮系から間葉系への形質変換(EMT)および細胞の運動性の制御に重要であること、また、細胞骨格系蛋白質(Cortactinなど)の制御を介して細胞増殖および細胞極性の維持を担う細胞間接着を制御することを明らかにした。さらに、これらの現象がCskによってコントロールされることから、がん浸潤転移の制御ポイントの一つとしてCskが機能する可能性を示した。2.SFKの機能の場であるラフトに局在する膜蛋白質Cbp(Csk binding protein)を同定し、Cbpが細胞接着などSFKシグナルの最初期ターゲットとなること、またCbp/Csk複合体を介するSFK制御系が存在することを示した。3.線虫のSFKおよびCskを同定し、それらが発生過程において細胞運動の方向性を決定するシグナル伝達系で必須の役割を担うことを明らかにした。また、下流因子としてRac経路を同定し、SRC-1が細胞骨格系の制御を介して細胞運動をコントロールしていることを示した。4.Cskの結晶構造を明らかにした。その情報に基づき、Cskを介するSFK制御機構の分子的基盤を明らかにした。
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