研究課題/領域番号 |
14033213
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
中村 正孝 東京医科歯科大学, 疾患遺伝子実験センター, 教授 (30180392)
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研究分担者 |
船戸 紀子 日本学術振興会, 特別研究員
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2003年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2002年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 分化 / 骨 / 転写 / Snail / P21 |
研究概要 |
我々はこれまでに、bHLH型転写因子群(E2A、Twist、Ids等)が骨芽細胞の増殖停止と分化特異的な遺伝子発現に共通して関与していることを見い出した。bHLH型転写因子群はE-boxに結合する。zinc-finger型転写因子のSnailもまたE-boxに結合するため、共通の結合部位でbHLH型転写因子と競合すると考えられている。また、SnailとTwistは機能相補的に中胚葉形成に必須とされ、さらにTwistがSnailの発現に関与するなど、相互に密接な関与が指摘されている。本研究では、Snailがp21(WAF1/Cip1)の発現を介して細胞分化に関与し、また、bHLH型転写因子群と如何なる関連を持ってp21の発現を制御しているかを検討した。その結果、骨芽細胞株MG63においてp21遺伝子プロモーターのE2Aによる転写活性化を、Snailが有意に抑制した。内在性のp21遺伝子の発現もSnailが抑制した。また、SnailはTwistと協調してp21の発現を抑制していることも明らかとなった。以上のことから、Snailはp21の発現調節を介して、細胞増殖停止を調節して分化を抑制していると考えられる。また、頭蓋部形成に不可欠な神経堤細胞形成時には、上皮間葉間細胞移動でのE-cadherinの発現をSnailとE2Aは協調して抑制し、その後の分化局面ではp21の発現を介して互いに反対の働きをすることで、形成する頭蓋部を適当な大きさと骨格に保ち、正確な形態構築に寄与していることが考えられる。
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