研究課題/領域番号 |
14034206
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
古久保 克男 (徳永 克男) 筑波大学, 生物科学系, 助教授 (00272154)
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研究分担者 |
丸尾 文昭 筑波大学, 生物科学系, 助手 (30199921)
中川 リリア 筑波大学, 生物科学系, 講師 (80300888)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
2003年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2002年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | 脳 / 発生 / 遺伝子 / ショウジョウバエ / 学習 / 記憶 |
研究概要 |
キノコ体は、脳容積の6割を超える発達した神経構造であり、ショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)における学習記憶をはじめ多様な高次脳機能の中枢である。われわれは、これまでにPax6相同遺伝子eyelessがキノコ体神経細胞の分化に重要な機能をもつことを報告してきた。今年度は、キノコ体神経幹細胞の増殖制御に焦点を当て、核内レセプター因子の一つであるtaillessが重要な機能を持つことを明らかにした。他の神経幹細胞と異なり、キノコ体神経芽細胞は、胚発生期から成虫まで細胞分裂を継続する。われわれは、レーザー共焦点顕微鏡を用いた胚期脳の遺伝子発現解析により、キノコ体神経芽細胞で核内レセプター型転写因子taillessが発現していることを見い出した。突然変異クローンを特異標識する新しい神経モザイク法を用いた解析により、tailless遺伝子がキノコ体神経芽細胞の継続的細胞分裂に必須であることを明らかにした。さらに、tailless遺伝子の強制発現により、他の神経芽細胞の細胞分裂が積極的に推進されることが示された。tailless遺伝子は脊椎動物にも保存され、神経幹細胞が多く存在する脳室層で強く発現される。われわれの結果は、tailless遺伝子が神経幹細胞の細胞周期の維持と推進に積極的機能を持つことを明らかにしており、脊椎動物においても相同遺伝子が同様な機能を持つことを示唆している。
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