研究課題/領域番号 |
14034270
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 (2003) 特殊法人理化学研究所 (2002) |
研究代表者 |
三浦 正幸 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (50202338)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
2003年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2002年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | カスパーゼ / 発生 / 細胞死 / GFP / イメージング / 神経発生 / FRET |
研究概要 |
培養細胞系でSCAT vectorを用いることで細胞死刺激に応じたカスパーゼの活性化をリアルタイムに捉えることに成功した。次に生体でのイメージングを行うために、SCATトランスジェニックショウジョウバエの作製を行った。カスパーゼ3型のカスパーゼはショウジョウバエにも存在し、細胞死実行に機能している。細胞死実行因子reaper(死神)はショウジョウバエで最初に発見された細胞死誘導遺伝子でありカスパーゼ依存的な細胞死を誘導する。UAS-SCAT3トランスジェニックショウジョウバエを作製しGMR-Gal4ドライバーにて複眼成虫原基でSCAT3を発現させ、同時にreaperを発現させたところ、FRET変化がカスパーゼ活性依存的に観察され、このシステムが生体でも機能することが確認された。我々は、遺伝学的な研究からreaperによる細胞死実行に経路においてJNKが活性化されるメカニズムを明らかにした。ショウジョウバエの複眼にreaperを過剰発現させると細胞死が誘導され複眼がつぶれる。複眼の回復を指標に遺伝子のスクリーニングを行ったところTRAFファミリーに属する遺伝子DTRAF1を同定した。DTRAF1の変異体を得てその表原型を観察したところ、ショウジョウバエ背部剛毛(外感覚器)の増加が観察された。同様の表原型はカスパーゼ活性化因子Dapaf-1変異体でも観察されることから、この領域においてカスパーゼの活性化が起こっていて、剛毛の発生に関与することが考えられた。そこで、Scabrous-Gal4を用いて剛毛前駆細胞でSCAT3を発現させたところ、Scabrous陽性細胞クラスターでカスパーゼの活性化が検出された。このようなカスパーゼの活性化は予想外でありカスパーゼの活性化シグナルが発生の細胞死以外の局面でも機能しうることを示唆している。現在、その意義について検討を行っている。
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