研究課題/領域番号 |
14035206
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 (2004-2006) 東京大学 (2002-2003) |
研究代表者 |
渡辺 公綱 独立行政法人産業技術総合研究所, 生物情報解析研究センター, 研究センター長 (00134502)
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研究分担者 |
岡田 典弘 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (60132982)
鈴木 勉 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (20292782)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
65,700千円 (直接経費: 65,700千円)
2006年度: 11,500千円 (直接経費: 11,500千円)
2005年度: 11,500千円 (直接経費: 11,500千円)
2004年度: 14,200千円 (直接経費: 14,200千円)
2003年度: 14,200千円 (直接経費: 14,200千円)
2002年度: 14,300千円 (直接経費: 14,300千円)
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キーワード | ミトコンドリア / tRNA / EF-Tu / EF-G / リボソーム / 線形動物 / アミノアシルtRNA合成酵素 / 修飾塩基 / Ascaris suum / X線結晶構造解析 / 転座反応 / リボソームタンパク質 / in vitro翻訳系 / 伸長因子 / 線虫 / EF-Tu1 / EF-Tu2 |
研究概要 |
動物ミトコンドリアの遺伝情報翻訳システムは通常の原核生物のシステムと比較して、次のような顕著な特徴を持っている。(1)線形動物ミトコンドリアではTアームの欠けたtRNAとそれを認識するC末の長い特異的な翻訳因子EF-Tuが存在する。(2)生物種によらずどんなtRNAをも認識するアミノアシルtRNA合成酵素が存在する。(3)RNAと蛋白質の含量比が大腸菌のものと逆転しているが(大腸菌では2:1、ミトコンドリアでは1:3)、機能的には等価なリボソームからなる。これら諸分子の分子間ネットワークの解析を通して、生命現象の根幹をなす翻訳システムの構築原理を解明することを目的として研究を行い、以下の結果を得た。 (1)線形動物ミトコンドリアでは、Tアームの欠けたセリルtRNAを認識するEF-T1と、Dアームの欠けたセリルtRNAを認識するEEF-Tu2とが存在する。EF-Tu1はtRNAの構造のみならず、tRNAに結合したセリン残基をも認識する。この識別に関わるアミノ酸残基も特定した。またTアーム欠失tRNAに共通に存在するm^1A9も結合に必須である。 (2)ミトコンドリア・セリルtRNA合成酵素(SerRS)は構造の全く異なる2種類のセリンtRNAを認識する。この酵素は、大腸菌の酵素と全体の構造は極めて類似するが、N末にαヘリックス領域、C末にテイル領域という余分な領域をもつ。これらが特にDステムを欠くセリンtRNAに決定的な役割をもつ。構造の全く異なる2種類のセリンtRNAの認識に関与するアミノ酸残基に明確な相違が見られたことから、この酵素は2つのtRNAを異なる様式で結合する(dual mode recognition)。 (3)ミトコンドリア(mt)EF-Gは大腸菌リボソーム上で機能するが、大腸菌EF-Gはミトコンドリア・リボソーム上では機能せず、それはストーク蛋白質L7/L12にのみ由来することを明らかにした。
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