研究課題/領域番号 |
14035214
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
星野 真一 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 講師 (40219168)
|
研究分担者 |
荒木 保弘 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (60345254)
仁科 博史 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (60212122)
堅田 利明 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (10088859)
|
研究期間 (年度) |
2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2002年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
|
キーワード | G蛋白質 / 翻訳終結 / mRNA動態 / リボソーム / ポリA結合蛋白質 / 脱アデニル化 |
研究概要 |
G蛋白質GSHTファミリーは、翻訳伸長因子EF1αと相同なC末端側領域に加えて、ファミリー間で相同性の低いN末端領域を有する。先に我々は、GSPTがC領域を介して終止コドンを認識する翻訳終結因子eRF1と結合しeRF3として機能することを、さらにN領域を介してポリA尾部結合蛋白質であるPABPの機能を制御することを報告した。平成14年度においては、主に酵母を用いた解析から、GSPTファミリーによるmRNAの分解制御についてさらに検討を加え以下の知見を得た。 1、mRNA分解の律速段階はポリA尾部の短縮化にあるが、GSPTのN領域欠失変異体ではmRNAのポリA鎖の短縮化が阻害され、引き続くmRNA分解が遅延した。すなわち、GSPTは翻訳終結において、そのC領域を介してeRF1を終止コドンに運搬して翻訳を終結させた後、さらにN領域を介してPABPと相互作用し、翻訳を終えたmRNAの分解を促進するという、GTP蛋白質が介在する新規のシグナル伝達経路が証明された。2、GSPTとeRF1との結合はGSPTへのGTPの結合を必要とし、一方のGSPTとPABPとの結合はGSPTへのヌクレオチド結合に非依存的であった。3、mRNA分解は翻訳終結反応と共役しており、この共役はGSPTによって伸介された。4、さらにGSPTとPABPとの相互作用は、5'-キャップ構造と3'-ポリA尾部によるmRNAの環状化に依存した翻訳の効率化にも影響を与え、リボソームの再雇用に積極的な役割を果たすことを見出した。5、eRF3と最も相同性の高いG蛋白質eRFSは、そのC末端側領域でeRF1に類似の分子eRFLとGTP依存的に結合し、一方のN末端領域は、解糖系酵素のGAPDHとの結合を介して特定(AU-rich)のエレメントを有するmRNAの動態を制御する可能性を見出した。
|