研究課題/領域番号 |
14035232
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小林 剛 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (90324847)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2002年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | Amphoterin / mRNA / 細胞内局在 |
研究概要 |
神経細胞内でのmRNAは一般に神経細胞の細胞体周囲のみに限局して存在すると考えられている。しかし、最近になって神経細胞において特定の種類のmRNAが細胞体外から樹状突起および軸索などへ輸送されることが報告されている。本研究課題では、神経突起伸長因子Amphoterinの細胞体外mRNAの局在機構について解析を行った。 (平成14年度研究実績) Amphoterinは細胞外へ分泌されることにより、そのレセプターであるRAGEと結合し、神経突起伸長を促す。しかし、Amphoterinは典型的な分泌シグナルを保持していない。このため、神経細胞からのAmphoterinの分泌には突起伸長点におけるAmphoterinの局在が深く関与している可能性が示唆されている。in situ hybridization法を用いた解析結果より、神経突起伸長点におけるAmphoterin mRNAの蓄積が明らかに認められた。Amphoterin mRNAはその領域内に長い3'非翻訳領域(UTR)を含んでいる。さらに、この3'-UTRにはβ-アクチンで同定されたzipcodeと呼ばれる領域に相同性の高い領域を含んでいた。このため、Amphoterin mRNAの突起伸長点への局在には3'-UTRが深く関与している可能性が示唆された。一般にmRNAの突起伸長点への輸送には細胞骨格成分が重要な役割を担っていることが知られている。また、我々はAmphoterinの突起伸長点への局在能がボルナ病ウイルス(BDV)感染細胞では低下していることを既に報告している。そこで、BDV感染細胞における細胞骨格形成能について検討した結果、BDV感染細胞では細胞骨格形成能が明らかに低下していた。以上の結果より、Amphoterin mRNAの突起伸長点への局在には細胞骨格に依存する輸送経路が深く関与していることが示唆された。
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