研究課題/領域番号 |
14035251
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
嶋本 伸雄 国立遺伝学研究所, 構造遺伝学研究センター, 教授 (20127658)
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研究分担者 |
十川 久美子 国立遺伝学研究所, 構造遺伝学研究センター, 助手 (20291073)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2002年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 大腸菌RNAポリメラーゼ / DNAスライディング / DNAグルーブ / グルーブトラッキング / ナノ回転計 |
研究概要 |
多くのDNA結合タンパク質は、DNAの特定の位置(specific site)に結合した特異的複合体(specific complex)として機能する。specific complexは、タンパク質のDNA上のスライディングをとおして形成されることがあることを1993年に大腸菌RNA polymeraseを用いて証明した。スライディングはspecific complexの形成を加速する。しかし、スライディング時に塩基配列をどのようにして、読みとるのか、ということと、細胞内のRNA上のスライディングをどのようにして防いでいるかは長らく不明であった。 もし、スライディング時にタンパク質がgroove trackingを行うならば、スライディング時に常時塩基配列は読め、また、RなにはB型DNAのようなgrooveは存在しないので、上記の疑問は解決する。そこで樹脂ビーズに蛍光小球を一つ結合させ、ナノ回転計を作製した。この回転計を光ピンセットで基盤表面から2-3μmの位置に固定し(回転は自由)、DNAをトルクが伝わるように、複数のビオチンアビジン結合により固定した。 この回転計の運動を、(1)DNA無し、(2)DNAは有るが、大過剰のヘパリンや短鎖DNAをくわえて、スライディング複合体が形成できないようにした(3)DNAは有り、スライディング複合体は形成できるが、基盤は固定して、特定の方向の回転は誘起されない系(4)(3)の系で、基盤を一方向に動かし、特定の方向の回転を誘起すると、(4)の場合のみ、連続的な回転運動が観測された。 この結果はgroove trackingが存在することを証明しており、上記の問題に対する回答が得られた。
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