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根粒形成プログラムをシステミックに制御する宿主因子

研究課題

研究課題/領域番号 14036213
研究種目

特定領域研究

配分区分補助金
審査区分 生物系
研究機関新潟大学

研究代表者

川口 正代司  新潟大学, 理学部, 助教授 (30260508)

研究期間 (年度) 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2002年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
キーワードミヤコグサ / 共生 / 根粒形成 / オートレギュレーション / レセプターカイネース / HAR1 / CLV1
研究概要

ミヤコグサの根粒過剰着生変異体har1(Ljsym78)を用いた接ぎ木実験により、har1変異体は、シュートの遺伝子型が根の表現型を制御していることが示された。これは過去報告されているダイズ根粒過剰着生変異体nts1と同じく、シュートで合成され根に輸送される根粒抑制物質(オートレギュレーションシグナル)を失っているためと考えられた。次にミヤコグサの根系を2つに分け,時間差で根粒菌を感染させる根分け実験を試みた。その結果、感染根からシュートを経由しての非感染根へのシステミックな根粒抑制活性は、har1変異体で失われていることが示された。
GifuB-129とMiyakojima MG-20のDNA多型を用いたポジショナルクローニングにより、har1変異体の原因遺伝子の候補(ロイシンに富むレセプター様カイネース)を特定した。特定した遺伝子が原因であることは,マメで困難とされてきた形質転換個休の作成を通して証明した。ミヤコグサHAR1遺伝子のダイズのオルソログGmCLV1Bを,nts1変異体(En6500)で調べたところ,LRRドメインと膜貫通ドメインの間に終始コドンが見いだされた。興味深いことに,HAR1と最も高い相同性を示したシロイヌナズナの遺伝子は、細胞間コミュニケーションを介して茎頂・花芽分裂組織での細胞増殖を制御するCLAVATA1(CLV1)であった。CLV1にはカイネースドメインに1つのイントロンが存在する。その位置と数はHAR1とNTS1で全く変わりなかった。従って,HAR1の起源はマメのCLV1ホモログと考えられ,マメと根粒菌との共進化プロセスにおいて,細胞間コミュニケーションを介してメリステム構築を制御する遺伝子から,器官間コミュニケーションを介して全身的に共生器官の形成を制御する遺伝子へと劇的な機能転換を遂げたと推測される。
HAR1は根,茎,葉,花の様々な器官で発現がみられたものの,根粒での発現は抑制されていた。輿味深いことに,CLV1が発現している茎頂で,発現は強く抑制されていた。

報告書

(1件)
  • 2002 実績報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Kawaguchi, M. et al.: "Root, root hair, and symbiotic mutants of the model legume lotus japonicas"Mol. Plant. Microbe Interact.. 15. 17-26 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] Mishimura, R. et al.: "The novel symbiotic mutant of enhanced-modulating mutant of Lotus japonicas"Plant Cell Physiol.. 43. 853-859 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] Mishimura, R. et al.: "A Lotus basic leucine zipper protein with a RING-finger motif negatively regulates the developmental program"Proc. NaH. Acad. Sci. USA. 99. 15206-15210 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] Nishimura, R et al.: "HAR1 mediates systemic regulation of symbiotic organ development"Nature. 420. 426-429 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] Kawaguchi, M.: "SLEEPLESS, a gene conferring nyctirastic movement in legume"J. Plant Res.. (in press).

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] Tansengco, M. et al.: "Crinkle, a novel symbiotic mutant that affects the infecting thread growth and alters the root hairs"Plant Physiol. (in press).

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 川口正代司 他: "モデルマメ科植物ミヤコグサ(蛋白質 核酸 酵素)"共立出版. 1482-1487 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書

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公開日: 2002-04-01   更新日: 2018-03-28  

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