配分額 *注記 |
88,900千円 (直接経費: 88,900千円)
2006年度: 17,900千円 (直接経費: 17,900千円)
2005年度: 17,600千円 (直接経費: 17,600千円)
2004年度: 17,600千円 (直接経費: 17,600千円)
2003年度: 17,800千円 (直接経費: 17,800千円)
2002年度: 18,000千円 (直接経費: 18,000千円)
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研究概要 |
(1)PSKの植物個体レベルにおける機能を明らかにするため,シロイヌナズナPSK受容体(At2902220(AtPSKR1))およびそのホモログの解析を進めた.AtPSKR1の単独破壊株(pskr1-1)では,葉や根のサイズのわずかな減少,成熟葉におけるカルス形成能の低下,細胞老化の促進などの形質が認められる.At5953890およびAt1g72300の導入はこれら変異を相補した.またPSK結合活性も確認された.これらの遺伝子について3重変異株を作製した結果,(i)茎頂および根端分裂組織サイズの明確な減少と,主として細胞数の減少に伴う葉や根のサイズの顕著な減少,(ii)成熟組織からのカルス形成能の顕著な低下,(iii)傷害組織における修復の不全,(iv)細胞老化の促進などの形質が観察された.したがって,PSKは植物個体レベルにおいて,メリステムを含めた全身的な細胞の増殖能力を協調的に調節することで,細胞数の制御や傷害時の組織修復に関与していると考えられる. (2)PSK受容体PSKR1は約150 kDのLRR-RKであり,細胞外領域に21個のLRRとそのコンセンサスから逸脱した36アミノ酸孤立領域(アイランドドメイン)が存在する.新規に開発したOn-column光親和性ラベル法により繰り返しPSKを架橋させ,断片化後にMS解析を行なうことで,PSKR1のリガンド結合領域がアイランドドメインの前半15アミノ酸領域にあることを見出した.光親和性ラベル法はリガンド-受容体相互作用の解析にしばしば用いられる手法であるが,架橋効率が1%前後と極めて低いことがこれまで難点であった.このon-column光親和性ラベル法は,この問題点を解決する優れた方法であり,さまざまな応用が可能であると考えている.
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