研究課題/領域番号 |
14037222
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 福井医科大学 |
研究代表者 |
内木 宏延 福井医科大学, 医学部, 教授 (10227704)
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研究分担者 |
長谷川 一浩 福井医科大学, 医学部, 助手 (60324159)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2002年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | アミロイド / アルツハイマー病 / ベータアミロイド線維 / 透析アミロイド症 / ベータ2ミクログロブリン / 立体構造変化 / 試験管内形成・分解 / アミロイド共存分子 |
研究概要 |
1.アミロイド線維形成・分解反応を説明する統一モデルの構築:アミロイド線維形成の重合核依存性重合モデルの全貌を解明するため、(1>従来酸性溶液中でしか行えなかった、β2ミクログロブリン(β2-m)から、透析アミロイド線維を形成する系について検討し、ある種のアルコールによりβ2-mの立体構造を変化させることで、中性pHでも重合核依存性に線維を伸長させる系を確立した。また、この線維伸長反応は、生体のグリコサミノグリカンにより増強されることを示した。(2)アルツハイマー病βアミロイド線維伸長・脱重合反応を高感度に解析するため、表面プラズマ共鳴法を用いた測定系を開発し、伸長過程のみならず、脱重合過程も一次反応速度論形式に従うことを示した。また、この方法により、反応平衡定数を求めることが初めて可能になり、動力学的解析の方法としても有用である。 2.アミロイド線維形成及び分解に伴う前駆蛋白質のコンフォメーション変化の解析:酸性溶液中でβ2-mがアミロイド線維を形成する過程の構造変化を系統的に検討した。NMRを用いた重水素交換実験等により、β2-mのN, C末端領域以外の殆ど全ての残基が、立体構造を変え、強固なβシート構造を形成し、線維を形成しいることを示した。また、前駆蛋白質β2-mの分子内SS結合が、アミロイド原性の構造を保持するために重要であることを示した。 3.アポE等のアミロイド共存分子、及び沈着組織の様々なマトリックス分子が線維形成に及ぼす影響の解析;表面プラズマ共鳴法による測定系を用いて、βアミロイド線維並びにβアミロイド蛋白質と、アポEやアルブミン等の生体分子の相互作用を定量的に解析する方法を開発した。また、複数の生体分子が共存するシステムにおいて、どの分子が線維形成に対し、促進的あるいは抑制的に作用するのかを、定量的に比較することが可能であることを示した。
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