研究課題/領域番号 |
14037252
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
牟田 達史 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (60222337)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2002年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 自然免疫 / マクロファージ / toll-like receptor (TLR) / シャペロン / NF-κB / 熱ショックタンパク質 / 発現系 / 炎症 |
研究概要 |
自然免疫系を活性化することが近年報告されたシャペロンタンパク質の一種である熱ショックタンパク質(Hsp)60について、その構造機能相関を明らかにすることを目的に、以下の実験を行った。 まず、Hsp60の野生型に加え、ATP結合部位、基質結合部位にそれぞれ変異をもつD111K、L283S変異体を作成し、大腸菌を用いた発現系を構築した。アミノ末端側に人為的に付加したHis-tagを用いて精製し、マクロファージの刺激活性についてNF-κB活性を指標に測定したところ、いずれの変異体を用いた場合にも刺激活性が検出された。大腸菌由来の何らかの自然免疫系活性化物質の微量混入の可能性が考えられたため、さらにイオン交換クロマトグラフィーによる精製を試みたが、同様に変異体においても活性が検出された。 次に細菌由来の物質の混入の可能性を防ぐため、バキュロウイルスと昆虫細胞を用いた発現系を構築した。大腸菌の発現系の場合と同じく、付加したHis-tagによって精製した標品の活性を測定したところ、この系では、野生型Hsp60にもマクロファージ刺激活性は検出できなかった。 これらの結果は、これまで報告されている組換えHsp60のもつ自然免疫系刺激活性は、発現に用いた大腸菌由来の物質に依存していた可能性を示唆している。一方、His-tagを含むHsp60はそのシャペロン活性発現に重要な14量体形成ができないといわれていることから、最近、tagを除去したネイティブなHsp60の昆虫細胞発現系を構築した。現在までに、細胞の粗抽出液を用いてマクロファージ刺激活性を測定したが、活性は検出されなかった。今後、さらにこの昆虫細胞で発現したHsp60を精製し、ATPase活性を確認しつつ、自然免疫系刺激活性について検討したい。また、同じく昆虫細胞発現系を構築したHsp70、90を用いて、細胞刺激活性について検討したい。
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