研究課題/領域番号 |
14037260
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
和田 郁夫 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (40182969)
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研究期間 (年度) |
2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2002年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 小胞体 / 遷移領域 / ダイナミクス / 蛍光相関分光法 / FRAP |
研究概要 |
1.分泌系において構造形成が完了できない場合、蛋白質は小胞体に繋留される。これには、細胞毒性となる凝集体の分泌を防ぐと同時に、一時的にその凝集体形成を停止させて、foldabilityを維持するという役割も考えられる。チロシナーゼを40℃で発現した場合には、分子はmisfoldして凝集体を形成するものの、分解はされず、しかも温度を下げた場合のfoldingの可逆性を維持する。この際に、小胞体に繋留された蛋白のダイナミクスをFRAPで測定すると、完全にmobileであり、シャペロンネットワークに固定されている訳ではない。しかし、これはある領域の分子群の平均移動度の計測になるので、個々の分子について蛍光相関分光法を用いて調べると、非許容温度では分子のランダムな動きは抑制されており、許容温度になるとその抑制が解除されることを示しmisfoldingの抑制がブラウン運動のレベルで起きることを示した。(投稿中) 2.小胞体遷移領域に付着するCOPIIコートの動態解析を行い、浸透圧ストレスで小胞体からの輸送が阻害される機構について解明を行った。まずCOPIIコートの細胞質プールとの交換について調べると、Sec13はSec23よりも4倍以上早い交換反応を示し異なる制御を受けることが示唆された。更に、その交換反応は高浸透圧あるいは低浸透圧によりいずれも解離の過程が強く抑制され、その抑制はチオール基の阻害剤処理により解消した。これは燐酸化によるものではなく、細胞内Na^+イオンの変動によることを見いだし、細胞外環境の変化が直接小胞体の出口のレベルで調節することを示した。(投稿中) 3.構造異常を起こした糖タンパクがプロテアソームに転移される場合、カルネキシンサイクルから解離してEDEMに受け渡され、両者は膜貫通部分を介して結合することを報告した。(Science,299:1394)
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