研究課題/領域番号 |
14037268
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
小瀬 真吾 国立遺伝学研究所, 構造遺伝学研究センター, 助手 (90333278)
|
研究分担者 |
今本 尚子 理化学研究所, 細胞核機能研究室, 主任研究員 (20202145)
|
研究期間 (年度) |
2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2002年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
|
キーワード | 核膜孔 / 核内移行 / 核外移行 / 熱ショック蛋白質 |
研究概要 |
核-細胞質間の機能分子の流通は、importin βファミリーと呼ばれる輸送担体分子群により行われる。しかし、importin βファミリー分子と核膜孔複合体構成因子(Nup)との相互作用や、方向性を持った動きの制御機構などの分子メカニズムはほとんど明らかとなっていない。本研究は、これらの問題点を明らかにし、核-細胞質間輸送における蛋白質の核膜孔通過機構を分子レベルで解析することを目的とし、以下のことを明らかにした。 1.importin βの核外移行活性化因子として熱ショック蛋白質hsc70を同定し、hsc70のATPase活性の必要性を解析した。in vitro蛋白質輸送アッセイ系において、ATPase活性欠損hsc70変異体は、imporin βの核外移行を活性化しなかったので、hsc70のATPase活性はimportin β核外移行活性化に必要であると考えられる。 2.核膜孔通過活性に必要十分な領域のアミノ酸に点変異を導入したimportin β変異体の挙動解析から、培養細胞内において野生型と異なる局在を示す変異体を得た。これらの変異体の核膜孔通過活性をin vitro蛋白質輸送アッセイ系で解析した結果、野生型より核内移行が速いが核外移行は遅い変異体(A)や核外移行は速いが核内移行は遅い変異体(B)を同定した。これらの変異体とNup(p62,Nup153)との相互作用を調べると、野生型や変異体Aに比べ、変異体Bはp62やNup153との結合が弱かった。importin βの核膜孔通過は、核内移行も核外移行も、Nupが持つFGリピートと呼ばれるアミノ酸配列との同じ分子間相互作用によると考えるモデルも提唱されているが、これらの結果は、核内移行と核外移行ではimportin βとNupの分子間相互作用が違うという可能性を示唆している。
|